笹川能孝 著/笹川流との出会い

笹川会長に初めてお会いしたのは2019年9月。
会計とロボットに夢中で、少し変わっていて惹かれる武田さんに、「日常生活で滅多に会う機会のない面白い人と今度会食をするから、広瀬君もおいでよ」と誘って頂いてから早3年。
この3年間を少し振り返る。
面白い武田さんが面白い人だと言うのだから、さぞ自分には想像の及ばない人が来るのだろうと確信して、誰が来るかも聞かずに快諾し、夜の中目黒へ。
武田さんの事務所に集合後、出席者数名でお店に歩いて向かう道中。
「今日来るゲストは、昔の日本船舶振興会のあの、、、」とその日初めて会った武田さんの知り合いの方々の会話を盗み聞きして、へえ、ほお、と相槌を打ちながらスマホで色々と調べる。
“A級戦犯容疑者、不起訴のちに釈放”
“巣鴨プリズン”
“昭和の妖怪、岸信介”
“戦後最大のフィクサー、児玉誉士夫”
そして
「日本のドン、笹川良一」
と検索結果には書かれていた。
すごいところに来てしまったという焦りと不安で、どのくらい道を歩いたか記憶が殆どない。
一軒家スタイルのレストランに着き、大きな円卓を皆で囲みゲストを待った。
そして笹川会長がやって来た。
こんなに「颯爽」と現れた人を、さわやかで勇ましい姿の人を見るのは初めてだった。
人の形をしているけれど、中身は人ではないようなただならぬオーラを全身から放っていた。
あの得体の知れないオーラ、雰囲気は一体何なんだと興奮が醒めず、会食が終わった後もしばらく東横線に乗れなかった。
そして会食中話題に出た「笹川流」という本を早速Amazonで買い、数日後届いてすぐ読み耽った。
あれが「本物の男」だということをその時に知った。
それからの数年、笹川会長が主宰する経営者交流会SSAの広報担当として、笹川会長の近くでオーラの正体を気づかれないようコソコソと研究した。
笹川会長はよくデニムの着物で街を歩く。手ぶらのことが多い。
会長と出会ってから自分も手ぶらになってみて周りを見渡すと、「昼間、手ぶらで歩く大人」は想像よりはるかに少なかった。
試しに渋谷駅の岡本太郎の壁画から、井の頭線の改札までの広い空間を見渡してみてほしい。
100人に1人いるかどうかだから。
荷物が無いと足取りも軽くなり、空いた手が勢いよく前後に動く、自然と目線も真っ直ぐ前を向くようになる。
だから会長の歩き方は爽やかなのだと腹落ちした。
会長は自身のことを”売れない歌舞伎役者”だと冗談で表現する。
何も知らない人が会長からそう言われたら、たしかに歌舞伎役者に見える。
それだけ華があり、持ち物にすら華がある。例えば傘。
着物の時は武士のような出立ちで、スーツの日は紳士・ジェントルマンの装い。
身なりをそこまで意識したことのない、傘はビニール傘しか持っていない不動産屋にはそれは衝撃的で、確実に自分の内側は感化され変わった。
身なり、動き、使う言葉含めた、これが大きなファミリーネームを背負う人の内側から滲み出てくる何か。
それは付け焼き刃で今から自分がしようとしても決して真似できない何か、おそらく幼少期から叩き込まれた何か。
それが笹川流として本に著した笹川家の教えなのだと改めて気づいたのは、何度か本を読み返した後だった。
ただ、そんな会長にも意外な一面があり、およそ人間:笹川能孝のイメージに合わない神田駅高架下のホルモン焼き屋で一緒に食事をしたり、ソフトクリームが好きだったりもする。
お酒も、甘いお酒のアマレットをロックで、カットライムを搾らず等々。
世の中を上下左右偏らず、真ん中で見ている人なのだと思う。
そして清濁併せ呑むさまは、やはり良一会長が目に浮かぶ。
「笹川流」。
漠然とした不安や、新しい刺激となる何かを探している方に、是非読んでみてほしい一冊です。
おわり
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