底地・借地関係の解消その2

1級FP試験の過去問題では

地主が「借地権者」から

借地権を買い取ってほしい

あるいは

底地を売ってほしい

というケースが多い気がします。


もしくは家を建て替えたいから

建て替えを承諾してほしい系。

で、過去問題集の中の

解説で以下のような内容の

ものがありました。

※以下、かなりざっくりです。


(例)建て替えを承諾してほしい借地者がいる。

地主としては以前から

この借地権者ともめて

いることもあって、

建て替えを認めない。

借地権者:

じゃぁもうこの際、借地権を

第三者に売るから承諾してくれ。

地主:

譲渡承諾も出さない。

借地権者:

じゃぁ裁判所に駆け込んで

地主の承諾に代わる

裁判所の許可もらって

第三者に売っちゃうからな!!


…ってなる前に、「借地権者と」

折り合いがつく形で承諾するなり

借地権買うなりしたほうが良い。

…って書いてあるんですが、

本当にそうでしょうか???


自分が持っている借地権は

とても価値のある権利だ、

もし地主と関係がこじれても

「借地非訟」の知識があれば

全然平気だ、

だから借地権者は強いんだ。

上記例はそんなイメージですが

本当にそうなのでしょうか??


もし、このブログを

借地権者の方が

たまたま見て

いらっしゃるのなら、

どうか上記例のような

借地権者にならないでください。


根本的な問題なのですが、

借地権という権利は

とても「脆い」

権利だと僕は思っています。

底地と借地の関係は

地主と借地権者との

人間関係の上に成り立つ

ものであって、人間関係が

崩壊してしまえば

実質的な価値は、ほぼ「ゼロ」。


何故か。

地主とそんなもめている不動産、

新たにわざわざ買う人いますか?

普通の住宅用地だったら、

この借地権を新たに買った人、

まぁ家を新築しますよね。

だいたいの人が

住宅ローンで何千万も借りて

建てますよね。

で、いざローン借りようとすると

ローンの抵当権を打つ時、

地主に協力してもらわないと

いけないんです。

(これ、借地非訟では対応出来ないです)

…もめていたら、

協力してくれますかね?

協力してくれないと住宅ローン

組むの厳しいですよね。

そうなると買う人いないですね。

じゃあローンを組む必要がない

現金いっぱい持っている人に

買ってもらえばいいって

なりますね。


でも現金いっぱい持っている人が

わざわざこんな面倒なもの

買いますかね。

普通に考えて、

現金持っているなら

もっと普通の

もっと良い不動産買いますよね?

僕だったら…そうします。

但し、ある条件であれば

買います。


「タダ同然ぐらい安ければ」


だから、うまく折り合いがつくように

交渉したりしないといけないのは

本来「借地権者」です。


今までの人間関係、

自分の地主への態度如何に

よっては、

5,000万円ぐらいはあると思っていた

自分の借地権の「価値」が

500万円、

50万円、

不動産業者すら買いたがらない

需要の無い不動産だと

0円(誰も買ってくれない)

になるかもしれないのですから。


…昔は底地・借地ってなんか面倒で

複雑で漠然とあんま関わりたくないと

思っていました。

だから率先して勉強もしませんでした。

そんな僕を見兼ねて、

以前働いていた会社の

僕の偉大なメンターである先輩が

底地・借地に関する上記のような

たくさんの事例・事実・原理原則を

教えてくれました。

その先輩には今でも

本当に感謝しています。


と、いうことで、

借地権者の方は

地代を遅れずしっかり払い、

更新料もしっかり払い

地主と良好な関係を築いてください。

そして、いつか底地・借地関係を

解消し、完全な所有権にしてください!

おわり

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