医療技術が発展し、
寿命が年々伸びているとはいえ
人はいつか死にます。
子が50歳前後の頃には
親が両方とも亡くなり
兄弟同士で実家を共有することに
なった…ありがちなケースです。
平成27年1月1日以後、
発生した相続は
遺産に係る基礎控除額が
引き下げとなったため
小規模宅地の特例等の税知識は
当然ながら大事です。
ただ、それよりも大事なのが
そもそも
「不動産を共有名義で持つこと」
ってよくないよ、ということを
多くの人が認識することだと思ってます。
兄弟と言っても、大人になれば
性格も、住んでいる場所も所得も
違うわけで。
真面目でしっかり者の
兄・姉がいるだろうし
わがままで自由奔放な
末っ子もいるだろう。
※注:末っ子批判ではない。
※何を隠そう僕自身
両親から相続した土地は
妹2人との共有状態ですが
長男である僕が単独で使う分、
生前の祖母の面倒、
お墓の維持管理、
固都税の支払を行い、
姪っ子達の学費が
最もかかる頃までに妹達の持分を
僕が現金で買い取り、
進学資金に充ててほしい
と考えていたりします。
(さすが1級FP笑)
節約、貯金を
心がけている人もいれば
浪費癖・ギャンブル癖で
金遣いが荒い人もいるだろう。
絵本の世界で表現するなら
アリとキリギリスが
不動産を共有するようなものです。
価値観・生計が異なる個人同士で
共有すれば大体、もめる。
不動産売却の相談内容においても
不動産の共有解消はよくある
相談内容の一つです。
まぁ、結局のところ全員が共同で
売却して、お金を分けることが
ほとんどです。
単独で共有持分を第三者に
売却することはほとんどないし
あったとしても
業者に安く買い叩かれるのがオチ。
もしくは持分に応じ土地を分筆して
それぞれ単独で所有する
ことが出来ればいいのですが、
30坪前後の一般的な住宅地だと
最低敷地面積の制限に引っ掛かり
なかなかうまくいかないんです。
かつ、切り方次第で不動産価値が
大きく変わるので、これまたもめる。
で結局、売るしか無いんです。
だったら最初から共有にならないように
努めたほうが合理的だと僕は思います。
広くて使いきれていない家なら
生前に売却してしまう。
遺言書く。
代償分割する為のお金を
死亡保険金を使ってまかなう、等々。
相続税対策は大事ですが、
節税効果ばかりに気を取られ
資産の内訳がほぼ不動産となり
結果的に「争族」になるのは
本当に相続対策と言えるのでしょうか??
対策を始めるにはまだ早い、なんてない
と僕は思います。
漠然とでもいいから、
もし明日自分が死んだら
もし明日両親が死んだら
どうやって相続するのがよいか
ちょっとドライ気味に
考えることをおすすめします。
おわり