「不動産を売却したいが、自分の不動産の売却相場をどのくらいか知りたい」という方も多いのではないでしょうか?
いきなり不動産会社にいくのは抵抗があるという方は、まずは相場観だけを知っておくことが重要です。
中古住宅は築年数によって売却相場が分かれるので、築年数別の相場を理解しておきましょう。
この記事では戸建て住宅とマンション別に住宅の売却価格の相場をご紹介します。
自分で売却相場を調べる方法もご紹介していきますので、住宅の売却を検討している方はぜひご覧ください。
不動産価格を決める要素
不動産の価格は以下のような要素によって決まります。
- 築年数
- 立地
- 売却時期
特に戸建て住宅の価格を大きく左右するのは築年数です。
築年数が経過すれば建物の価値は減少していくので売買価格も低くなります。
基本的には築20年を経過すると売却価格は下がっていくと言われています。
また、立地は都市部で駅が近いなどの利便性が高いと価格は高くなり、そのほかにも以下の要素が価格に左右します。
- 用途地域
- 周辺環境
- 周辺施設
- 交通
- 災害リスク
- 治安
さらに売却時期によっても売買価格は変わるので注意が必要です。
国土交通省の資料によると、2013年くらいからマンション価格を中心として不動産の価格が急激に上昇していることが分かります。
引用:国土交通省|不動産価格指数、住宅は前月比 0 .8%上昇、商業用は前期比 0 . 9%上昇
不動産価格は国際情勢や為替などを背景に変動します。
実際に2013年頃からの急激な上昇は政府がアベノミクスとして始めた金融緩和が大きく影響しています。
同じ不動産を購入しても「いつ購入するのか」というタイミングによって価格は大きく異なるので注意しましょう。
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戸建て住宅の築年数ごとの価格相場早見表
主要都市別の築年数ごとの戸建住宅価格は以下のようになります。
東京 | 埼玉 | 千葉 | 神奈川 | |
---|---|---|---|---|
築5年未満 | 6,204万円 | 4,041万円 | 3,960万円 | 4,900万円 |
築5年以上 10年未満 |
6,259万円 | 3,789万円 | 3,528万円 | 4,648万円 |
築10年以上 15年未満 |
5,846万円 | 3,082万円 | 3,302万円 | 4,455万円 |
築15年以上 20年未満 |
5,303万円 | 2,839万円 | 2,666万円 | 3,944万円 |
築20年以上 25年未満 |
5,710万円 | 2,749万円 | 2,497万円 | 3,672万円 |
築25年以上 30年未満 |
5,675万円 | 2,264万円 | 2,370万円 | 3,422万円 |
築30年以上 | 3,840万円 | 1,617万円 | 1,494万円 | 3,009万円 |
引用:公益財団法人 東日本不動産流通機構(レインズ) |首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況【2022年10~12月】
東京と神奈川は中古住宅の価格が高いエリアです。
そのため、築30年経過しても、中古住宅の価格は築5年未満の60%程度ですが、千葉や埼玉の場合には、築30年以上経過した物件は築5年未満の40%程度まで下落します。
将来に渡って価値が維持できる物件を購入したいのであれば、東京や神奈川などに一戸建てを購入した方がよいでしょう。
マンションの築年数ごとの価格相場早見表
マンション価格も築年数や立地によって変動します。
公益財団法人 東日本不動産流通機構(レインズ)によると、築年数別のマンションの取引価格は以下のようになっています。
取引価格 | ㎡単価 | |
---|---|---|
築5年未満 | 7,077万円 | 112.55万円 |
築5年以上10年未満 | 6,655万円 | 100.54万円 |
築10年以上15年未満 | 5,932万円 | 86.99万円 |
築15年以上20年未満 | 5,509万円 | 78.15万円 |
築20年以上25年未満 | 4,887万円 | 69.23万円 |
築25年以上30年未満 | 3,344万円 | 51.48万円 |
築30年以上35年未満 | 2,303万円 | 39.94万円 |
築35年以上40年未満 | 2,672万円 | 50.49万円 |
築40年以上 | 2,260万円 | 46.37万円 |
引用:公益財団法人 東日本不動産流通機構(レインズ) |築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2023年)
特筆すべきポイントは、築年数が25年以上になると取引価格はそれほど変わらないという点です。
築25年からは取引価格の底を迎えるので、少しでも高値で売却したいのであれば、築25年に達する前に売却した方がよいでしょう。
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不動産の売却価格相場の調べ方
自分で不動産の売却価格の相場を知りたい方は以下の4つの方法で調べるのがよいでしょう。
- 購入価格と築年数から自分で計算する
- 土地は路線価から計算する
- 周辺エリアの類似物件から検討する
- 不動産会社に査定を依頼する
いずれの方法も比較的すぐに調べることができます。
売却価格を調べる4つの方法を詳しくご紹介していきます。
購入価格と築年数から自分で計算する
最も簡単で精度の高い方法は、新築時の購入価格から築年数に応じて建物価格を減価させて計算する方法です。
レインズは築年数に応じた原価率を以下のように公表しています。
築5年以下 | 100% |
築10年以下 | 96.7% |
築15年以下 | 91.5% |
築20年以下 | 79.3% |
築25年以下 | 77.7% |
築30年以下 | 71.0% |
築31年以上 | 48.3% |
引用:公益財団法人 東日本不動産流通機構(レインズ) |首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2022年10~12月】
例えば新築時の購入価格が3,000万円で、築20年の物件は2,000万円×79.3%=1,586万円となります。
新築時の価格がわかる方はざっと計算してみましょう。
土地は路線価から計算する
土地の価格は路線価から計算するのが簡単です。
特に築22年を超えているのであれば建物の価値はほぼなくなっているので路線価が売価になるのが一般的です。
国税庁は「路線価図・評価倍率表」というものを公表しているため、ここから所有する不動産の路線価を調べましょう。
路線価×不動産面積=路線価格を調べることができます。
ただし、路線価は実際の売価の8割程度の価格となっているため、上記でもとめた路線価格を80%で割ります。
(路線価×不動産面積)÷0.8=土地の価格
こちらの計算式でおおよその土地の価格を計算することができます。
周辺エリアの類似物件から検討する
不動産情報サイトを調べて周辺エリアの同じような物件が売りに出ていないか確認しましょう。
ここで同じような物件が売りに出ていたら、その価格と同じ程度の価格で自分の物件も売却できると考えられます。
不動産会社に査定を依頼する
最も確実な方法が不動産会社に査定を依頼する方法です。
不動産売却の際に手数料が発生するのは売却したときのみです。
そのため査定は無料で依頼することができます。
信頼できる不動産会社が分からないという方は、不動産の一括査定サイトを利用しましょう。
一括査定サイトを利用すれば、一度不動産情報を入力するだけで、厳選された複数社から査定結果が届くので、自分の不動産がどの程度の価格で売却できるのかについて、プロの査定を知ることができます。
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まとめ
中古物件の売却価格は築年数や立地などのさまざまな要素で複合的に決まります。
築年数ごとの相場を知ることはできますが、実際にはその時の需要によって価格は変化するので「どのタイミングで売却するのか」が非常に重要です。
より正確に売り時や価格を知りたいのであれば、専門家である不動産会社へ査定を依頼するのがベストです。
一括査定サイトを利用すれば簡単に複数社からの査定を得られるので、まずは気軽に問い合わせてみましょう。
参考:【相場早見表付き】戸建売却の相場はいくら?高く売るコツも解説/クラモア