不動産の簡易査定を行ったが、「不動産会社によって簡易査定額に差が生じた。」「どの査定額が正確なのかわからない。」そういった悩みを抱えていませんか?
この記事では、正しい査定額を判断するために以下のポイントについて紹介していきます。
- 不動産査定の基本的な知識
- 不動産会社によって簡易査定額に差ができる理由
- 正しい査定額を判断するポイント
簡易査定額の正しい見方を知りたい方はぜひ参考にしてください。
不動産査定に関する基本的な用語
まずは不動産査定に関する基本的な用語をわかりやすく紹介します。
不動産の査定で頻出の用語ですので、理解しておきましょう。
売希望価格
売希望価格とは、物件の売主が「この価格で売りたい」と希望する価格です。
売主としてはできるだけ高額で物件を売りたいと考えるでしょう。
そのため、査定価格や市場で実際に取引がされている価格よりも高額になります。
実際に売れる価格は、売主の希望価格より低くなることが多いです。
あくまで希望価格として理解しておきましょう。
また、簡易査定を依頼する前に「これくらいで売れたらいいな」という希望価格を出しておくことで、その後の売却活動がイメージでき、不動産会社との打ち合わせがスムーズに行えます。
ちなみに、時間をかけてでも高額で売却をしたいと考えている売主は、売希望価格を高く見積もって売却活動をしましょう。
逆に、できるだけ早く売りたいと考えている場合は、売希望価格を確実に売れる額で見積もって活動をします。
査定価格
査定価格とは、宅地建物取引業者が独自のマニュアルや方法に基づいて査定をした価格です。
つまり、簡易査定を出した後に不動産会社から提示される価格のことです。
一般に、査定額とも言われます。
査定をした宅建業者は、査定価格の提示をする際、宅建業法34条の2第2項に基づき、なぜその価格になったのか根拠を明らかにする必要があります。そのため、査定価格とその根拠をもとに売却活動の計画を立てることが可能となります。
物件のエリアや、不動産会社の営業方針によって変わりますが、一般的に募集開始から3か月以内で売れる金額を目安に査定価格を算出している不動産会社が多いです。
売出価格
売出価格とは、売却依頼者と不動産会社が話し合いを行い、決定する実際に市場に売り出す不動産の価格です。
査定価格と同額になる場合、売希望価格に合わせて査定価格より高額になる場合があります。
査定価格をそのまま売出価格として売買の募集を始めるのではなく、売希望価格と査定価格を考慮してその価格を決めます。
売出価格がそのまま市場に公開されるため、不動産会社と慎重に話し合う必要があります。
不動産を売却する理由は、売主によってさまざまです。
時間に余裕のある方もいれば、できるだけ早く売りたいと考える方もいます。
売出価格は最終的に売主の判断で決まります。
売主と不動産会社が相談をし、売出価格を決めるため、査定価格が必ずしも売出価格になるわけではありません。
売主としては、査定額をあくまで相場を知るための情報として利用する必要があります。
買希望価格
買希望価格とは、買主が売主に「いくらだったら購入したいです」という希望を提示する価格です。
売主ができるだけ物件を高く売りたいのと同様に、買主としてはできるだけ物件を安く買いたいと考えるのが通常でしょう。
そのため、売出価格よりも低額で買希望価格の提示がされる場合もあります。
買主側の不動産業者や買主によって、売出価格と買希望価格の差がどれくらい生まれるかは異なります。
査定額を出しても、その額が買希望価格と一致するとは限りません。
査定額はあくまで不動産会社が「この額なら売れる」と考えて算出する相場ですので注意が必要です。
成約価格
成約価格とは、売主・買主間で話し合いを行い、最終的に合意をした売買価格です。
成約価格が実際に売主の手に入る額となります。
不動産会社としては、査定を出す際、成約価格とできるだけ差がない査定額を提示することが望ましいでしょう。
しかし、不動産は唯一無二の取引です。
完全に一致する査定額が出せるとは限らないことを理解しておきましょう。
不動産の査定額の出し方
不動産の査定額を出す方法は、大きく分けて以下の4つの方法があります。
- 取引事例比較方式
- 原価方式
- 収益還元方式
- 公的価格の活用
どのような物件でどのような査定方法が使われるのか具体的に紹介します。
取引事例比較方式
取引事例比較方式は、中古マンションや住宅用の土地で利用されることの多い不動産査定価格の判定方式です。
取引事例比較方式では、以下の方法で査定価格を判定します。
- 多数の取引事例を収集
- 対象不動産に似た事例を選択
- 類似事例に事情補正や時点補正を行う
- 地域要因などの比較を行う
- 算出された多数の取引事例の価格を比較して対象物件の査定価格を算出
まずは、対象不動産の近郊で行われた多数の取引事例を収集します。
多くの不動産会社はレインズといわれる不動産情報が共有されているサイトや自社のネットワークから過去の情報を収集しています。
集めた情報から、築年数や間取り、駅徒歩や構造などさまざまな条件で類似事例を絞っていきます。
絞られた類似取引に個別の事情を考慮して査定対象の物件に該当するよう価格を操作します。
個別の事情には、類似取引が行われた時期の物価や、当時の需要、築年数、マンションの場合は部屋の位置、土地の場合は前面道路の状況などが該当します。
補正によって最終的に算出された類似物件の取引価格を比較して、該当物件がどのくらいで売れるのか判断を行います。
取引事例比較方式では、多数の取引事例を収集する必要があります。
そのため、対象物件の近辺で似ている物件の取引が多数存在することが必須です。
つまり、取引事例比較方式は同じマンション内で多数の取引がある中古マンションなどで多く利用される不動産価格判定方式です。
原価方式
原価方式は、土地付き戸建てで多く利用される不動産査定価格判定方式です。
原価方式では、以下の方法で査定価格を判断します。
- 不動産の価格を査定する時点での再調達原価を求める
- 再調達原価に減価修正を行い、査定価格を算出する
再調達原価とは、現在、同じ土地を取得して同じ建物を建築する場合のどれくらい費用がかかるかというコストのことです。
つまり、物件の取得時に実際にいくらかかったのかということではなく、査定を出そうとしている時点で再度建築をしようとしたらいくらかかるのかを求めるということです。
再調達原価は、材料費や人件費などから総合的に計算します。
再調達原価を求めることができたら、減価修正を行います。
減価修正とは、該当物件の所在地域の価値の低下や築年数などさまざまな要因を考慮して、建設当時の物件から価値が下がっている部分を再調達原価から差し引くことで現時点での適切な査定価格を算出する方法です。
以上の方法で査定価格を算出するため、原価方式は、再調達原価の把握ができ、減価修正を適切に行うことのできる不動産で利用できます。
一般に、土地付きの中古戸建て物件などで利用されることが多いです。
収益還元方式
収益還元方式は、賃借人付マンションなどの賃貸用不動産や事業用不動産で使用される不動産価格の判定方式です。
収益還元方式は以下の手順で査定価格を算出します。
- 将来生み出すと予想される純利益を求める
- 純利益を合計して総利益を求める
- 将来的に発生する総費用を求める
- 総利益から総費用を差し引いて、査定価格を算出する
不動産を賃貸している場合、将来的にどのくらいの利益を生むのか、月々の家賃や管理費、更新料などから単純に計算をします。
不動産の賃貸をする場合、建物自体の維持や部屋の維持が必要です。
また、不動産を所有しているため、固定資産税などの税金を納める必要があります。
このような費用を、将来生み出すと予想される利益と相殺することで物件自体にどれだけの価値があるのかを判定します。
原価方式は、物価に大きく影響されないため、比較的適切な取引価格を算出することができます。
どれくらい利益を生むのかが判断の基準となるため、賃貸用や事業用の不動産で利用される方法です。
公的価格の活用
公的価格の活用は、査定をする際に参考にすることのできる取引事例がない場合に利用される方法です。
公的価格には、以下の4つの価格があります。
- 公示価格
- 標準価格
- 路線価
- 固定資産税評価額
公示価格とは、国土交通省の土地鑑定委員会が公表する標準地の正常な価格です。
土地取引の指標となり、不動産の鑑定を行ううえでの規準となります。毎年3月に公示されます。
標準価格は、都道府県によって、公示価格を補完する目的で毎年9月に公示される価格です。
公示価格と標準価格は国土交通省の『土地総合情報システム』で確認することができます。興味のある方は確認してみましょう。
また、路線価では相続税などの課税価格を算出することができます。
そのため、路線価は相続税評価額とも言われています。
路線価は国税庁が8月に公表するもので、公示価格の約8割の水準で算定されます。
最後に、固定資産税評価額です。
不動産を保有、購入すると固定資産税や不動産取得税、登録免許税といった税金の支払いが必要です。
このような税金の算出基準が固定資産税評価額です。
市区町村が固定資産税評価額を決定しており、公示価格の約7割を水準に算出されます。
公的価格を利用した査定額の算出では、以上の代表的な4種類の公的価格を利用し、該当物件の所在地の個別条件を加味して、総合的に判定します。
実際に取引された例を参考にするのではなく、基準地点の価格に基づき算出する必要があります。
価格査定マニュアルの利用
宅建業者は、宅建業法34条の2第2項に基づき、査定額を提示する際には査定依頼者に対し、なぜその査定額を算出したのか、根拠を示す必要があります。
現在、根拠を明確にし、査定額にできるだけ差が出ないよう、(公共財団法人)不動産流通推進センターによって『価格査定マニュアル』が策定されています。
価格査定マニュアルには、以下の4種類があります。
- 戸建住宅価格査定マニュアル
- RC版戸建住宅価格査定マニュアル
- 住宅地価格査定マニュアル
- マンション価格査定マニュアル
(公財)不動産流通推進センターによる価格査定マニュアルは、現在の国土交通省の調査をもとに発表された価格査定マニュアルを実用化したものです。
つまり、公式的な情報をもとに査定額を算出できるシステムが作られているということです。
しかし、「価格査定マニュアル」の査定対象を確認すると、価格査定マニュアルで算出できる不動産は、一般的な住宅用の土地、中古の戸建て、中古ファミリー用マンションといった一部の不動産に限られます。
そのため、所有不動産が統一したシステムを使用できる不動産に該当しない場合もあります。
では、具体的にどのような価格査定マニュアルなのかを紹介します。
戸建住宅価格査定マニュアル
戸建て住宅価格査定マニュアルでは、原価方式を使用して査定額を算出します。
前述したとおり、原価方式を利用した査定額の算出では、再調達原価や築年数などによる減価修正必要です。
単純に共通の数字に基づき査定額を算出するため、築年数や住宅の使用状況や環境によって建物の状態が変わるRC造(鉄筋コンクリート工法)の住宅は査定ができません。
つまり、査定ができる工法が限られています。
ちなみに、RC造は別で『RC版戸建住宅価格査定マニュアル』が用意されています。
所有物件がRC造の場合、併せて確認してください。
出典:(公財)不動産流通推進センター 「価格査定マニュアル」による査定方法
土地価格査定マニュアル
住宅用の土地を査定する、土地価格査定マニュアルでは、取引事例比較法によって算出を行います。
それぞれの類似取引を参考にしたうえで、日照や前面道路の状況など個別の事情を考慮して最終的な査定額を判断します。
出典:(公財)不動産流通推進センター 「価格査定マニュアル」による査定方法
中古マンション価格査定マニュアル
中古マンションの査定も、土地と同じく取引事例比較法によって算出をします。
マンションの査定額算出では、室内の状態や階数、物件の耐震性などの個別状況を考慮します。
個別状況の考慮は最終的に査定担当者によって行われます。後述しますが、統一のマニュアルを使用しても査定額に差が出るのは、個別事情をどのように判断するか担当者によって異なるという点が関係しています。
出典:(公財)不動産流通推進センター 「価格査定マニュアル」による査定方法
不動産会社によって簡易査定額に差ができる理由
不動産会社に簡易査定を出した際に査定額に差が出ることは多々あります。
なぜ不動産会社によって査定額に差が出るのでしょうか?その理由を紹介します。
比較をする物件によって査定額は変わる
前項で紹介した、取引事例比較方式などで不動産の査定額を算出する場合、比較をする物件によって査定額は変化します。
例えば、査定を出す不動産が中古マンションの場合、該当マンションの中で売りに出ている同じような部屋がある際は、間取りや構造などに変化がなく、査定額にあまり差は生じません。
しかし、過去に取引された部屋がない場合は、他のマンションの中から類似の取引を探し、査定額を出す必要があります。
そのような場合、担当者によって査定額を算出するために選択する類似取引事例が変わります。
以上のように、どのような比較物件を使用するかよって、査定額に差が生じてしまいます。
顧客情報によって査定額は変わる
不動産会社によって、所有している顧客情報は異なります。
大手不動産会社は多数の顧客情報を所有しています。また、その土地に根付いた中小不動産会社は独自の顧客情報を所有しているでしょう。
ちょうど、売りに出そうとする不動産を探している顧客情報を所有している場合は、高額で査定額を出すことができます。
また、過去の顧客情報から独自のデータベースを作り査定額を算出している不動産会社は、他社の比較する顧客情報と異なるデータを使用できるため、査定額に差が生じます。
査定マニュアルによって査定額は変わる
宅建業者の多くは、(公財)不動産流通推進センターによる価格査定マニュアルを利用して、査定額を算出しています。
しかし、不動産流通推進センターのマニュアルは使用に年間3,300円かかります。
そのため、該当のマニュアルを利用していない不動産会社もいるでしょう。
また、不動産会社によっては独自の査定マニュアルを使用している場合もあります。
そもそも、マニュアル自体が存在しない会社もあります。
つまり、使用している査定マニュアルによって、査定額を算出する方法が異なり、多少の変化が生じてしまうのです。
不動産会社の経営戦略によって査定額は変わる
不動産会社によって経営戦略は異なります。
不動産会社によっては顧客を獲得することを目的として査定額を極端に高額にする場合があります。
逆に、自社では売れないと考えた場合に極端に少額で査定を出す場合もあります。
査定額に大きく差がある場合は、経営戦略が関わっている場合もあります。
経営戦略による根拠のない高額査定を信じてしまうことは危険です。
査定額の説明を聞く際にどんな根拠があるのか注意して聞いてください。
査定額を出す担当者によって査定額は変わる
査定額を共通で出すマニュアルは用意されていますが、最終的には担当者の経験や知識、性格によって査定額が左右される場合があります。
強気な営業担当者もいれば、確実に売れる査定額で交渉してくる営業担当者もいるでしょう。
また、共通で、(公財)不動産流通推進センターによる価格査定マニュアルを使用している場合でも、説明した通り、最終的に査定額を算出するために必要な不動産の個別状況を担当者がどのように判断するかによって査定額は変わります。
不動産は完全に一致するものがないため、確実な査定額を決めることはできません。
最終的には、金額だけではなく営業担当者との相性も重要となってきます。
人によって査定額に多少の差が生じることを把握し、査定額をあくまで相場として考える必要があります。
得意とする物件の違いによって査定額は変わる
不動産会社、営業担当者によって得意な不動産が異なります。
都心が得意な不動産会社もあれば、その土地に根付いた地域密着型の不動産会社もあるでしょう。
また、面積の大きな不動産や築年数の古い不動産の場合は、得意不得意によって大きく査定額に差が出ることもあります。
以上のように特殊な不動産は、不動産会社が得意とするかで査定額に差が出る可能性があります。
将来の展望によって査定額は変わる
不動産会社が該当不動産の所在する地域の将来性をどのように見ているかによっても査定額は変わります。
不動産会社は、基本的に未確定な情報を顧客に伝えることが禁止されています。
例えば、「今後この土地の価格は高騰する」、「鉄道が開通するという噂がある」というような曖昧な情報は顧客の利益になりません。
査定額は、その不動産が売れると考えることのできる額で算出します。
そのため、不動産会社が感じている相場感覚や市場の変動をある程度考慮するでしょう。
つまり、不動産会社それぞれが共有している市場の状況や展望などの情報によっては、査定額に多少の差が生じてしまいます。
簡易査定の注意点
簡易査定は基本的に無料で行えます。
また、一括で査定ができるサイトもあります。
簡単に依頼ができる査定ですが、依頼をした際に注意すべき点がいくつかあります。
実際に依頼する際の参考にしてください。
営業をされる
簡易査定の依頼をすると不動産会社は、自社で売りたいと営業をしてきます。
営業をする理由はもちろん、自社の売り物件を増やしたいからです。
実際に簡易査定を依頼をした後に、多数の不動産会社から自社で売らせてほしいという営業を受けている方もいるのではないでしょうか?
しかし、宅建業者は、宅建業法第16条の12に基づき、しつこい勧誘を禁止されています。
つまり、営業を受けても、きちんと断ればそれ以上の営業はされません。
曖昧に答えてしまうと、不動産会社の営業担当者も困ってしまいますので、簡易査定をお願いした後、その不動産会社を利用しない場合ははっきりと断りましょう。
簡易査定をやっている会社は大手が多い
ネットで簡易査定の検索をすると大手不動産会社が多数出てくるのではないでしょうか。
特に地域密着型の不動産会社は、ネットに簡易査定の情報を載せていないことが多々あります。
また、一括査定はすべての不動産会社が行っているわけではありません。
そのため、査定に出した不動産の売却が得意な不動産会社がネット上で見つけられないことがあります。
簡易査定をやっている不動産会社がすべてではないことを把握して、地元で人気の不動産会社がないかも調査してください。
正しい査定額を判断するポイント
ここまで、査定額の出し方や、なぜ査定額に差が生まれるのか説明しました。
それを踏まえ、簡易査定で出た査定額のどれが適切なのか判断するためのポイントを紹介します。
繰り返しになりますが、最終的には売主が売出価格の決定権を持ちます。
また、売却活動の予定期間や売り出す理由によっても参考にすべき査定額が変わります。
不適切な査定額を参考にしないよう、ポイントを把握してください。
極端な高額査定は要注意
不動産は高額な取引です。不動産によっては、数億円の取引をする場合もあるでしょう。
そのため、査定額に数百万円の差が生じることもあります。
その中で、あまりにも高額な査定額を提示してくる不動産会社には注意をしてください。
得意な不動産である、同じような不動産を探している顧客が自社にいるといった理由や、明確な根拠なしに自社の売り物件を増やしたいという理由のみで高額査定を出している可能性があります。
もし、極端に高額な査定価格を提示された場合、根拠を明確に説明してもらいましょう。
ポイントはそこに明確な根拠があるかです。
たとえ高額で査定価格を算出しても、不動産が売れなければ価格を下げる必要があります。
また、売れない期間が長いと不動産が劣化してしまいます。
さらに長いあいだ売れ残っている不動産には、なぜそんなに売れ残っているのかという疑問が買主側に生じます。
あまりいい印象は持たれないですよね。
高額すぎる査定価格には注意をして、その価格に明確な根拠があるのかを確認してください。
納得のいく査定額の説明をする不動産会社を選ぶ
一括査定を行う場合でも、簡易査定を依頼したすべての不動産会社にその査定額を提示した根拠を聞きます。
ここまでに説明した通り、査定額を算出するまでの過程でさまざまな事情を考慮しているはずです。
査定額が同じでも不動産会社や担当者によって算出するまでの根拠や、内容が異なる可能性があります。
根拠の説明を受けることで正しい査定額を判断することができます。
例えば、不確定な情報を根拠としている査定額は信ぴょう性が低いですよね。
また、わかりやすい説明で根拠を示す不動産会社は、それだけたくさんの情報を調べて査定額を出しています。
どの説明が納得できるかが正しい査定額を判断するためのポイントとなります。
さらには、どのような材料を考慮して査定額を出しているのかを知ることで、売却活動の参考にもなります。
また、売主の考え方に合った不動産会社、担当者を見つけることができます。
適切な査定額を把握でき、かつ相性のいい不動産会社を見つけられる一石二鳥のチャンスです。
複数の不動産会社に査定を依頼する
適切な査定額を把握するために一番重要なことは複数の不動産会社に簡易査定を依頼することです。
なぜなら、複数の査定額を比較することで適切な査定額を把握できるからです。
極端に高額な査定額を知るためには多数の査定価格を比較しなければなりません。
また、適切な査定額を判断するための根拠をできるだけ多く知ることで、どの価格が適切なのか、どの不動産会社を選ぶとよいのかがわかります。
査定システムには、一括査定のシステムやネットで簡単にできる簡易査定、店舗で行っている査定など多数あります。
複数の査定額とその根拠を知ることが適切な査定額を把握するために重要なため、できるだけ複数の不動産会社に査定依頼をしましょう。
まとめ
この記事のポイントをまとめると以下のようになります。
- 比較する物件、顧客情報、査定マニュアル、それぞれの不動産会社の経営戦略、担当者など様々な要因があるため査定額は不動産会社ごとに変わる
- 一括査定ができるサイトは簡単に査定を依頼することができるため非常に便利だが、営業をされるなどのデメリットもあるため注意が必要
- 複数の不動産会社の査定から相場を判断し、適切な価格を理解することが重要
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今回は、不動産の査定額の出し方からなぜ差が生まれるのかを紹介しました。
不動産査定の方法は、基本となるマニュアルがありますが、そこに個別の事情が関わってくるため、不動産会社や担当者によって差が生まれます。
正しい査定額を知るためには、多数の不動産会社による査定が必要です。
また、多数の査定額から相場を知り、根拠を知ることが正しい査定額を判断するための重要なポイントです。
簡易査定や一括査定をする際に、注意すべき点を押さえて情報を集めましょう。