不動産ポータルサイトを見て、「同じ物件なのに複数の不動産会社に情報が掲載されている、しかも値段が違う」という経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか?
同じ物件が異なる不動産会社に掲載されているのには理由があります。
この記事では、同じ物件が違う不動産会社に掲載されている理由と、違う不動産会社へ乗り換える際の注意点について解説していきます。
同じ物件が複数の不動産会社に掲載されている理由
同じ物件が複数の違う不動産会社に掲載されている理由は、レインズという不動産会社が情報を共有しているデータベースに原因があります。
レインズの仕組みから、なぜ同じ物件が異なる不動産会社に掲載されるのか解説していきます。
レインズの仕組みが原因
同じ物件なのに、複数の違う不動産会社が物件を掲載している理由はレインズの仕組みに原因があります。
レインズ(REINS)とは、「Real Estate Information Network System」(不動産流通標準情報システム)の略称で、国土交通大臣が指定した不動産流通機構によって運営されています。
このシステムは、不動産の売却情報を集約し、登録された不動産会社間で共有するためのコンピューターネットワークです。
簡単に言うと、レインズは不動産会社が物件情報を共有し、より多くの顧客に提供するためのプラットフォームとして機能しています。
不動産会社は売主から「不動産を売りたい」という話を受けると、まずレインズへその情報を登録します。
登録後はネットワーク上に情報が掲載しているので、入会している不動産会社であれば、誰でもその情報を閲覧することが可能です。
情報を閲覧した不動産会社はレインズの情報をもとに買い手を探すため、自社のポータルサイトなどにも物件情報を掲載します。
レインズの情報は複数の不動産会社が閲覧でき、その情報を元に買い手を自由に探せるため、異なる不動産会社で同じ不動産の情報が掲載されるという状態ができあがります。
複数の不動産会社での掲載物件は優良物件の可能性大
複数の不動産会社で取り扱われている物件は優良物件の可能性が高いと言えます。
不動産会社が数ある売却情報の中から、わざわざその物件だけを抽出して、自社のサイトや媒体に掲載しているということですので、その物件は「不動産会社が売れる」と判断したということでもあります。
また、複数の不動産会社に掲載されているということは、媒介契約を締結した不動産会社が囲い込み(自社の顧客にのみ売却するよう他の不動産会社の顧客へ売却しないこと)をしていないということです。
同じ不動産なのに違う不動産会社に紹介されている物件は、むしろ優良物件で健全に市場に乗っている状態だと言えるでしょう。
同じ物件で価格が違う理由
同じ物件なのに、掲載されている不動産会社によって価格が異なることがあります。
売主は同じですので、本来的にそのようなことは起こり得ませんが、実際にこのような現象が起きる理由は次の2点です。
- レインズでの情報変更が反映されていないから
- 不動産会社の諸費用などの付属費用が異なるから
単純に不動産会社が情報を反映していないケースと、不動産会社の諸費用などが異なるケースがあります。それぞれの理由について詳しく解説していきます。
レインズでの情報変更が反映されていないから
1つ目の理由が、タイムラグです。
物件の売却条件や価格に変更が生じた場合には、レインズを通して売却情報の変更をおこないます。
しかし、売却情報を掲載している不動産会社がレインズでの売却条件が変更になったことに気づかなければ、当該不動産会社に掲載されている条件と、レインズに掲載されている条件が異なることになります。
条件変更が生じた時に、レインズと不動産会社の掲載情報反映にタイムラグが生じることが、同じ不動産なのに価格が異なる原因の1つです。
不動産会社の諸費用などの付属費用が異なるから
また、物件の価格は同じでも不動産会社側の費用が異なることによって、最終的な売却価格に違いが生じることもあります。
不動産の売却には、不動産会社へ支払う仲介手数料が発生しますが、仲介手数料は上限が定められているだけですので、不動産会社によって異なります。
また、表示の方法にもそのほかの付属費用が含まれている場合と含まれていない場合があるので、同じ物件でも不動産会社によって値段が異なることがあるのです。
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同じ物件を異なる不動産会社で内覧する際の注意点
同じ物件を複数の不動産会社の仲介で内覧しても法的には問題ありません。
最初に対応した不動産会社の対応が悪かったので、別の不動産会社へ変更したいと考えることはあるでしょう。
そのため、不動産会社が売却に向けて具体的に動いていなければ、同じ不動産を掲載している別の不動産会社へ連絡をして、別の不動産会社を経由して内覧することは可能です。
しかし、不動産会社がすでに売却に向けた準備をおこなっていた場合、他の不動産会社へ変更するとトラブルに発展するおそれがあるので注意が必要です。
媒介契約の解除でトラブルになるケース
不動産会社が次のような作業に入っていた場合には契約解除を申し出ると、違約と判断されてトラブルになることがあります。
- 住宅ローン申し込みのサポート
- 売主に購入申込書(買付証明書)を渡す
- 売主と価格や条件の交渉
- 重要事項説明書の開示
- 売買契約書作成
これらの動きを不動産会社がしていた場合、すでに売却に向けた準備をしていることになります。
この時点で媒介契約を解除して他の不動産会社へ乗り換えることは、違約(契約違反)と見なされて、何らかのペナルティが発生することになります。
基本的に不動産を購入する際には、最初に住宅ローンの事前審査へ申し込むのが一般的です。
資金を用意できなければその先の話へ進むことができないためです。
この段階で他の不動産会社へ乗り換えてしまうと違約になる可能性があるので十分注意しましょう。
媒介契約の解除で違約になったときのリスク
媒介契約を解除し、違約になってしまった場合には、業務に費やした費用の返還を請求される可能性があります。
業務に費やした費用とは次のようなものを指します。
- 現地調査費用:交通費、写真代
- 権利関係調査費用:交通費、謄本代
- 販売活動費用:新聞・雑誌の広告費、通信費、現地案内交通費
- 契約交渉費用:交通費
不動産会社が売却手続きを進めるには、これらのコストがかかっているため、媒介契約期間内に契約を解除して違約になった場合には、これらの実費を請求される可能性があるので注意しましょう。
他の不動産会社へ変更したいのであれば、不動産会社が売却に向けて具体的に動く前としてください。
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違う不動産会社で同じ物件を紹介されたときの選び方
違い不動産会社から同じ物件を紹介された際には、次のような視点で不動産会社を選びましょう。
- 担当者の態度
- 担当者の知識
- 担当者が宅建士の資格を持っているか
態度と知識は話している印象で判断しましょう。また宅建資格を持っているかどうかは非常に分かりやすく重要なポイントです。
不動産会社を選ぶ3つのポイントについて詳しく解説していきます。
担当者の態度
担当者の態度が悪いと感じた場合には、他の不動産会社への変更を検討した方がよいでしょう。
不動産購入は大きな買い物ですし、自宅であれば一生の買い物でもあります。
態度が悪いと感じた場合には、同じ物件を掲載している不動産会社へ早めに相談したほうがよいでしょう。
担当者の知識
担当者に知識がないと感じた場合も、他の不動産会社へ変えた方が無難です。
- 不動産の知識
- ローンの知識
- 投資の知識
- 資金繰りの知識
これらについて、聞いたことをなんでも答えられない場合には、同じ物件を掲載している違う不動産会社へ変更を検討しましょう。
担当者が宅建士の資格を持っているか
担当者が宅建士の資格を持っているかどうかは、非常に明確で重要なポイントです。
不動産業界には異なる会社を行ったり来たりする人が多いですが、このような人は宅建士の資格を持っていないことが多いようです。
宅建士の資格を持っている人は、待遇もよくなることから同じ不動産会社に定着する傾向があります。
担当者へ宅建士の資格を持っているかどうか確認し、資格を持っていないのであれば、他の担当者に変えてもらうか、同じ物件を扱っている違う不動産会社へ変更した方がよいでしょう。
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まとめ
同じ物件が違う不動産会社に取り扱われていることはけして珍しいことではありません。
売却情報がレインズに掲載されると、どの不動産会社も情報を閲覧できるので、複数の不動産会社が情報を同じ物件を掲載する可能性があります。
むしろ複数の不動産会社が「売りたい」と考える物件ですので、優良な物件で囲い込みも行われていないため安心です。
同じ物件を異なる不動産会社で内覧することは問題ありませんが、媒介契約を締結していた場合には、違約になる可能性があるので注意するとともに、不動産会社の担当者の態度や知識に違和感があるのであれば、別の不動産会社へ変更することも早めに検討しましょう。
参考:同じ物件が複数の不動産会社で紹介・掲載されていた場合、どれを選ぶべきなのか
参考:【ホームズ】同じ物件が違う不動産会社でも見つかるのはなぜ? 賃貸物件の広告の仕組みを解説 | 住まいのお役立ち情報
参考:媒介契約の費用はいくら?相場・違約金・売れない場合は?|不動産売却HOME4U