大田区は東京23区の中で人口が3番目に多い、人口73万人を誇る巨大な自治体です。
また面積も23区内トップです。
そのため区内にはファミリー層が多く、団地から田園調布のような高級住宅街までさまざまな所得階層の人が居住しています。
また商店街や工場なども多く、昔ながらの街並みも多く残っています。
洗足池や小池公園、平和の森公園など自然豊かな公園も充実しており、ファミリー層だけでなく、さまざまな階層の人が住みやすい地域だと言えるでしょう。
この記事では大田区の特徴やおすすめスポットや住んでいる人の口コミをご紹介するとともに、大田区の不動産市況について詳しく解説していきます。
大田区の特徴
大田区は次のような特色のある施設や地域が多数存在する自治体です。
- 羽田空港
- 田園調布
- 城南島海浜公園
- 洗足池公園
- 萩中公園
- 京浜島つばさ公園
- 平和の森公園
東京はおろか今や日本の空の玄関口になりつつある羽田空港が存在するのは、大田区最大の特徴だと言えるでしょう。
国内外への出張や旅行が多いという方は、大田区に居住することで非常に便利です。
また、大田区には商店街と公園の数が多いので、ファミリー層にとっても生活しやすい街だといえます。
大田区の人口・世帯平均年収のデータ
大田区の基本情報です。
人口 | 734,114 |
生産年齢人口率 | 67.2% |
高齢化率 | 22.4% |
区民平均年収 | 564万円 |
区民年収中央値 | 300万円未満 |
東京都平均の高齢化率は22%程度ですので、大田区の高齢化率は東京都の中では平均的です。
都内の中でも大田区は現役世代と高齢者のバランスが取れており、さまざまな世代にとっても暮らしやすい街です。
また、区民の平均年収は564万円と、東京都内の平均年収である564万円とちょうど同じです。
高齢化率も年収も都内平均と同じです。
東京での生活はどのような具合か考える際には大田区民の生活を参考にするのが最も分かりやすいかもしれません。
大田区の生活環境や利便性、安全性に関する情報
大田区には次の路線が乗り入れています。
- JR京浜東北線
- 京急本線
- 京急空港線
- 東京モノレール
- 東急東横線
- 東急目黒線
- 東急多摩川線
- 東急大井町線
- 東急池上線
- 都営浅草線
京浜東北線が通っているため、東京駅方面には直通です。
また東急東横線も通っているため、渋谷方面へのアクセスもスムーズです。
そして、羽田空港は区内に所在しているため、出張や旅行や帰省で空港を利用することが多い方には非常に利便性の高いエリアだといえます。
大田区の犯罪率は東京23区中7位と都内でも治安のよいエリアです。
参考:大田区の治安や住みやすさはどう?23区全体と比較して解説
大田区には田園調布や山王などの高級住宅街があるので、住民の防犯意識も高くなっています。
ただし、蒲田駅周辺などは、繁華街も多いので犯罪は大田区の中では比較的多くなっています。
住宅街に関しては都内でも治安がよく安心して居住できるでしょう。
さらに大田区は病院が多いことでも知られているため、高齢者の方も安心して生活できます。
大田区の不動産のデータ
大田区の戸建て住宅、マンション、賃貸住宅の家賃相場などのデータをご紹介していきます。
新築・中古の戸建平均価格
アットホームに掲載されている物件によると、大田区の中古戸建て住宅の平均価格は2LDKで6,285万円、3LDKで6,580万円程度です。
建物面積では100㎡〜120㎡で6,780万円となっており、全国平均(126㎡)程度の広さの物件も、決して手が届かない範囲ではありません。
なお、大田区の宅地の平均価格は62万4355円/㎡、206万3985円/坪です。
参考:土地代データ
たとえば、50㎡の土地を購入する場合、土地代は3,100万円程度です。
この土地に5,000万円の建物を建築しても、合計で8,000万円程度ですので、大田区であれば新築一戸建てを購入することも決して夢ではありません。
新築・中古のマンション平均価格
LIFULL HOME’Sによると大田区の新築・中古マンションの平均価格は次の通りです。
平均価格 | 平均単価 | |
---|---|---|
新築 | 6,821万円 | 130.3万円 |
中古 | 5,102万円 | データなし |
参考:LIFULL HOME’Sが東京23区の新築マンション平均価格を区単位で調査
東京都大田区の中古マンション価格相場情報
中古マンションの平均価格は5,000万円程度と、会社員の方も十分に手が届く範囲です。
また新築マンションも手に入りやすい価格で、平均は6,800万円程度となっています。
これは23区中18番目の価格ですので、大田区は新築マンションを購入する場合も手を出しやすい地域だと言えます。
なお、7,000万円のマンション購入の際に頭金1,000万円を用意して、6,000万円の住宅ローン(金利1.5%、返済期間30年)を組んだ場合、毎月返済額は20万7,000円です。
共働きであれば、現実的に返済できる程度の金額ですので、大田区は会社員の方も新築マンションに手が出るエリアだといえます。
家賃相場
LIFULL HOME’Sによると、大田区のマンションの家賃相場は次の通りです。
間取り | 平均家賃 |
---|---|
ワンルーム | 7.76万円 |
1K | 8.29万円 |
1DK | 10.62万円 |
1LDK | 14.44万円 |
2K | 10.65万円 |
2DK | 12.43万円 |
2LDK | 21.69万円 |
3DK | 15.30万円 |
3LDK | 23.47万円 |
学生も多く居住する大田区はワンルームや1Kであれば7万円〜8万円台で借りられます。
2LDKの賃貸住宅は20万円以上の家賃相場ですので、賃貸住宅に月20万円以上支払って住み続けるよりは、新築マンションを月20万円程度の返済で購入した方がよいでしょう。
オススメ記事
不動産データからみる品川区の特徴!売買価格から相場、住みやすさまで徹底解剖
新築、マンションの平均相場や住みやすさなど不動産に関する様々なデータをもとに品川区の特徴について深掘りしていきます。これから品川区に移住を考えている方、不動産投資を考えている方などのお役に立てば幸いです。
大田区の不動産市場の動向や将来性に関する分析
「ダイヤモンド不動産研究所」のコラムで麗澤大学AIビジネス研究センターの 仙石裕明客員准教授は、大田区の不動産市場の将来性について次のように分析しています。
大田区の土地価格は過去10年間で+14.7%と大きく上昇しています。
しかし10年で14.7%の上昇というのは、都内の周辺エリアが19%以上情報していることを鑑みれば決して高いエリアだとはいえません。
そのため、大田区の資産価値は周辺と比べれば高くはないといえます。
ただし、10年前比+16.3%というのは周辺エリアがこの10年間で17.5%上昇していることと比較すると、現段階ではそれほど資産価値が高いとは言えません。
今後は人口減少に伴い、資産価値の低いところから高いところへ人が移動するため、資産価値の高いエリアはさらに価値が高まり、低いエリアの価値は下がっていく傾向だと分析しています。
「ダイヤモンド不動産研究所」のコラムでは大田区の不動産価格をグッド、ノーマル、バッドの3つのシナリオに分けて以下のように予測しています。
- グッドシナリオ:10年間で+10.5%
- ノーマルシナリオ:7,580万円:10年間で+4.3%
- バッドシナリオ:5,393万円:10年間で+4.1%
良くも悪くも、大田区の不動産価格は10年間で4%以上は上昇し、うまく行けば10%程度は上昇するだろうというのが本コラムでの分析です。
確かに周辺相場よりはこの10年間の上昇はないものの、都内3番目の人口を誇る大田区は10年後も一定の需要が見込まれます。
そのため、市況が悪くなっても大きく下がることはなく、緩やかに情報していくエリアだと見込まれます。
参考:東京都大田区の土地価格・相場は? 今後10年の価格推移も予想!【不動産価格データベース】
オススメ記事
不動産データからみる渋谷区の特徴!売買価格から相場、住みやすさまで徹底解剖
新築、マンションの平均相場や住みやすさなど不動産に関する様々なデータをもとに渋谷区の特徴について深掘りしていきます。これから渋谷区に移住を考えている方、不動産投資を考えている方などのお役に立てば幸いです。
大田区のおすすめエリア
大田区に居住する方におすすめエリアは次の通りです。
- 蒲田:大田区内で最大級の繁華街となっており、グルメ・娯楽・買い物の施設が充実。
駅前に大田区役所本庁があるので便利。 - 鵜の木:家賃相場が手頃であり、一人暮らしの学生や新社会にとって住みやすい。
蒲田まで約7分、自由が丘へも乗り換え1回で約10分とアクセスも良好。 - 馬込:飲食店や大型スーパーが少ないため静かで、区内でも特に治安のよい地域。
始発駅の1つ隣なので通勤電車で座りやすい。 - 千鳥町:家賃相場が安く、多摩川や区民温水プールなども近い。
- 大森:治安がよく、スーパーや飲食店が充実。
東京湾に面しているのでしながわ水族館・日本科学未来館・お台場などへの子供づれのお出かけに便利。 - 池上:買い物・外食・アクセスのバランスがよい。
池上本門寺の所在地なので門前町の雰囲気がある。
参考:大田区は住みやすい?タイプ別にオススメのエリアや治安をご紹介
オススメ記事
いつ家を売却するかがわかります!戸建ての家を売るベストタイミングはいつ?
戸建てを売って損をする人が見落としがちな3つのポイントとは?売却に適した時期や売却をスムーズにするコツを築年数、税金、住宅ローン金利、季節などの項目別に解説。さらに、複雑で面倒な税金の対応をシンプルに説明しています。
大田区の住民の口コミなど
実際に大田区に住んでいる住民の方の口コミをから集めてみました。
- 「なんでも揃っており大変便利(70代男性)」
- 「公共交通機関の利用時にすぐに混雑する(60代男性)」
- 「四季折々の自然が楽しめる(70代男性)」
- 「区の中心が蒲田駅周辺で、現在住んでいるところから遠いので不便(70代男性)」
引用:大田区:特色・特徴
大田区はそれぞれの駅に飲食店やスーパーなどが充実しています。
そのため生活には困りませんが、羽田空港が近いので移動時は観光客などで混雑します。
また区の中心が京浜東北線の都内最後の駅である蒲田駅周辺にあるため、品川、目黒、世田谷周辺に居住している方は不便さを感じるようです。
オススメ記事
老後の住み替えを成功させたい!タイミングや失敗しないための注意点を解説
老後の住み替えは賃貸か戸建てか?損せずスムーズに新たなシニアライフをスタートできるよう資金繰りやプランを事前に建てることが大切!失敗例や成功例を踏まえて、専門家がしっかり解説。
まとめ
大田区は田園調布や山王などの高級住宅街も抱えながら、商店や住宅街も多くさまざまなカテゴリーの方が居住する自治体です。
東京23区内の中でも治安がよいため、ファミリー層や一人暮らしの方も安心して居住できます。
また、区内には羽田空港があるので、出張や旅行が多い人にはとても便利です。
不動産相場は東京23区内では低めで、共働き世帯であれば新築マンションや一戸建ての購入も夢ではありません。
東京都心や渋谷や横浜などへのアクセスもよいため、ファミリー層が住居を購入するのであれば、選択肢の1つとして検討してみましょう。