不動産投資に興味があるけど不動産投資の始め方が分からない方も多いのではないでしょうか。
最近ではサラリーマンの副業として、不動産投資を始める方もおり、「不動産投資の始め方」に関する情報をネットで検索する方もいらっしゃるでしょう。
20代30代と言った独身のうちから、不動産投資を始める方もいます。
不動産投資の仕組みは、できる限り安く賃貸物件を購入して、できる限り高い賃料で貸し出して賃料収入を得る。
さらに資産価値が高まった状態で売却することで譲渡益を得るという単純なものです。
急激に価値が下落することはめったになく、リスクもそれほど大きくありません。
しかし、注意点もたくさんあります。
不動産は一旦買ってしまうと気軽に売却できないうえ、所有するだけで様々なコストがかかるため、空室のままだと大損してしまうことです。
そのため、不動産投資を始めるに当たっては、ネットで情報を集めるだけでなく、「不動産投資の始め方」に関する書籍をたくさん読み、セミナーに参加するなどして勉強することが大切です。
不動産投資とは
不動産投資とは、賃貸物件等を資産として所有しながら、賃料収入を得るという投資方法です。
賃貸物件が自己所有であれば、賃料収入の大半を収益とすることができますし、ローンを組んで賃貸物件を購入した場合でも、ローン返済額を差し引いた分が収益になります。
また、いざという時は売却することで現金を手にすることもできますし、高く売れる時を狙って売ることで、譲渡益を手にすることができます。
もちろん、大家さんとして入居者に快適な生活環境を提供する義務があります。
管理会社を使わず、自主管理する場合はそれなりに大変ですが、管理会社に管理を委託すれば、普段やることはほとんどありません。
そのため、サラリーマンの副業としても不動産投資は最適なのです。
不動産投資と株式投資の違い
投資というと株式投資が代表例として挙げられますが、不動産投資とどう違うのかを簡単に触れながら、不動産投資の特徴を紹介します。
不動産投資の始め方を調べている方は参考にしてください。
不動産投資と株式投資は主な収入源が違う
不動産投資と株式投資の大きな違いは主な収入源です。
不動産投資はインカムゲインが主な収入になります。
一方、株式投資は、キャピタルゲインが主な収入です。
インカムゲインとキャピタルゲインとは?
インカムゲインとは不動産物件を賃貸に出して得られる賃料収入のことです。
自己所有物件を賃貸する場合は賃料収入の多くが利益となりますが、不動産投資ローンを組む場合は、ローンの返済額が差し引かれるため、利益が少なくなります。
株式投資の場合は、年に1、2回得られる配当金や株主優待などがインカムゲインに当たります。
キャピタルゲインは、売却により利益を出すことです。
株式の場合は、株価が低い時に購入し、株価が上がった時に売却することで利益を得ることが主な目的になります。
不動産投資の場合も、賃料収入だけでなく、売却により利益を出すこともできます。
安い物件を購入して価値を高めて高く売ることに成功すれば譲渡益が得られます。
逆に、高い物件を購入して価格が下落してから売却した場合は、損してしまうことになり、キャピタルロスになります。
一般に、不動産物件、とりわけマンションは、年月とともに劣化し価値が下落するため、買った時よりも高く売ることはなかなか難しいですが、地価やマンションの価格が上昇している時はキャピタルゲインを得られることもあります。
不動産投資はローンを組むことができる
不動産投資と株式投資のもう一つの大きな違いは、ローンを組むことができるかどうかです。
一般に株式投資では、株式を購入するのにローンを組むことはできません。
一方、不動産投資では、賃貸物件を購入するにあたって不動産投資ローンを組むことができます。
ローンを組むことができるということは、レバレッジ効果が期待できるということです。
レバレッジ効果とは?
全額自己資金で賃貸物件を購入する場合は、購入可能な価格は低くなりますし、賃料収入も少なくなります。
例えば、自己資金400万円で賃貸物件を購入しても得られる賃料収入は、月額4万円と言った金額にとどまります。
自己資金に加えて、不動産投資ローンを組んで賃貸物件を購入した場合は、購入可能な価格の幅が広がります。
例えば、自己資金の400万円に加えて800万円の不動産投資ローンを組めば、1200万円の賃貸物件を購入できるわけです。
すると、賃料収入もその分増える可能性が高いわけです。
賃料収入も3倍になると仮定すると、月額12万円と言った金額になります。
ただ、不動産投資ローンを組んだ場合は、不動産投資ローンの利息が差し引かれることになります。
金利3%と仮定して計算し、得られる賃料収入を比較してみましょう。
自己資金のみの場合
月額4万円×12カ月=48万円
不動産投資ローンを組んだ場合
月額12万円×12カ月-800万円×3%=120万円
不動産投資ローンを組んだ方が得られる賃料収入が2.5倍になることが分かります。
このように、自己資金だけでなく積極的に借入することで、さらに収益性を高めることをレバレッジ効果と言います。
一般のサラリーマンは、投資のために投入できる自己資金は限られています。
株式投資にしても購入できる株式数には限度があります。
一方、不動産投資ならば、自己資金が少なくても、不動産投資ローンを組むことで、レバレッジ効果を効かせることができ、大きな収益を期待できることになります。
オススメ記事
東京23区の新築マンション平均価格は?年収別おすすめエリアもご紹介!
本記事では、東京23区の新築マンション平均価格についてご紹介しつつ、将来性はあるのかどうか、住みやすさはどうかといった観点についても解説していきます。年収別のおすすめエリアも合わせてご紹介していきますので住み替えを検討している方などはぜひ参考にしてみてください。
不動産投資の始め方
サラリーマンの方が不動産投資を始めることを想定し、不動産投資の始め方について簡単に紹介します。
不動産投資の勉強をする
どんな投資でも、まず、その投資について勉強して知識を得ることがスタートラインになります。
不動産投資は勉強すべきことが多い投資方法です。
ネットで情報を集めるだけでなく、不動産投資の始め方について書かれた書籍をたくさん読みましょう。
大きく分けると次の点についての勉強が必要になります。
- 資産運用の知識(金融、税金の知識)
- 賃貸物件の見極め方やリノベーションの知識(不動産、建築の知識)
- 賃貸経営の知識(法律の知識)
資産運用の知識(金融、税金の知識)
不動産投資ローンの組み方や月々のローン返済額や金利の計算、賃料収入の見込み額や利回りなど、資産運用のために必要な金融の知識を学ぶ必要があります。
加えて、不動産には様々な税金がかかることを忘れてはなりません。
固定資産税や譲渡所得の他、賃料収入の確定申告が必要ですし、所得税や住民税がかかります。
賃貸物件の見極め方やリノベーションの知識(不動産、建築の知識)
賃貸物件の価値や将来性を見極めるための不動産と建築の知識も必要です。
どれだけの賃料で貸し出せる物件なのか、空室になるリスクはどの程度あるのかなど、不動産投資会社から助言を受けるだけでなく、自分自身でも判断できる必要があります。
また、賃貸物件をリノベーションする場合は、リフォーム会社などに依頼するわけですが、どのようなリノベーションが有効なのか、見積り額が適正かどうかなど、様々な検討事項があります。
賃貸経営の知識(法律の知識)
賃貸物件を貸す際は、入居者との間で賃貸借契約を締結します。
この契約関係は借地借家法が適用されるため、入居者との間で複雑な法律関係が生じます。
管理業務の多くは管理会社に委託することができますが、家賃滞納が続く時や退去時には、オーナー自身が対処しなければならないこともあります。
入居者とのトラブルに発展した場合は、裁判手続きが必要になることもあり、弁護士に依頼しなければならない事態も生じます。
このように、不動産投資を始めるに当たっては、様々な知識が必要になります。
もちろん、それぞれの分野の専門家にアドバイスを受けることになりますが、最終的に判断するのは、不動産オーナー自身ですから、最低限の勉強はしておきたいものです。
投資金額や目標を決める
不動産投資は不動産投資ローンを組めば、自己資金0円でも始められます。
ただ、フルローンの場合は、失敗した時のリスクも大きくなります。
空室期間が生じた場合、不動産投資ローンの支払いのために自己資金で穴埋めしなければなりませんし、売り時でなくても慌てて売ってしまい、結果として大損しやすくなります。
一方、全額自己資金で購入した場合は空室期間が生じても、不動産投資ローンの支払いのために自己資金で穴埋めする必要はありません。
焦って売却する必要はなく、売り時を待つこともできます。
そのため、不動産投資の始め方について書かれた書籍には、最初の賃貸物件は全額自己資金で購入することを勧めているものもあります。
リスクを考慮して自己資金のみで始めるか、不動産投資ローンを活用して、レバレッジ効果を狙うかは、考え方次第でしょう。
現実に用意できる自己資金と不動産投資ローンを組める金額を算出します。
金融機関と相談しながら、投資金額を決定しますが、無理のない範囲で投資資金を用意しましょう。
注意点は全額自己資金で購入する場合でも、突発的な出費に備えて、一定の資金を手元に残さなければならないことです。
例えば、エアコンやガス給湯器が壊れた場合はオーナーの負担で交換しなければなりません。
台風や地震などで賃貸物件そのものが損傷してしまう事態も考えられます。
投資資金が決まったら、資金運用計画を立てます。
具体的にはどれだけの賃料収入を見込めるのか。
不動産投資ローンの返済計画などと併せて計算します。
この際の注意点は、不動産投資会社が示す賃料収入の見込み額は、空室リスクを考慮していない場合が多いことです。
また、一定期間ごとに設備機器の交換費用がかかってくることや、入居者の退去時に原状回復の費用がかかること。
また、将来的には大規模なリノベーションの費用も必要になることも計算に入れておかなければなりません。
土地や物件を探す
投資金額と目安の賃料収入、将来の目標などが定まったら、その目標に見合った土地や物件を探します。
サラリーマンの場合は、投資金額が限られているので、中古のワンルームマンションあたりを狙うことになるでしょう。
もちろん、中古と言っても新耐震基準前の物件、具体的には1981年前に建てられた物件は避けるべきですし、ワンルームでも5坪以下でバスルームとトイレが一緒のような狭すぎる物件は避けるべきでしょう。
中古の場合、部屋の状態によってはリノベーションが必要ですが、小さなワンルームマンションならその費用も押さえられます。
立地条件も重要で、ワンルームマンションの入居者は、学生や独身の人たちです。
大学の近くにある物件や駅近くで利便性の良い物件を狙うべきです。
知らない土地だと、ワンルームマンションの需要があるかどうか見極めが難しいこともありますから、できる限り、住んだことがある土地の物件から選ぶべきでしょう。
このように様々な要素を検討しながら、購入する賃貸物件を決定します。
注意点は、不動産投資会社の言うことを鵜呑みにしないことです。
本当に儲かる賃貸物件なら、不動産投資会社が自ら運用して売り出すことはありません。
自分で掘り出し物の賃貸物件を見つけることが基本で、そのための鑑識眼を養うことが大切です。
賃貸物件選びで目安になる利回りとは
賃貸物件選びでは、利回りが高いかどうかが一つの基準になります。
不動産投資の始め方に関する本を読むと、表面利回り12%以上と言った目安が紹介されていることもあります。
賃貸物件選びで目安となる利回りは、大きく2つの種類があります。
表面利回り(グロス利回り)
1年間の賃料収入を不動産の購入価格で割って算出した数字です。
例えば、想定家賃月額4万円の物件が400万円で売られていた場合は次のような計算式になります。
(4万円×12カ月÷400万円)×100=12%
この計算式で出た数字が高いほど、表面的には大きな収益が得られる見込みがあることになります。
ただ、表面利回りは、賃貸経営の経費などは考慮していません。
これらの要素を考慮した数字が次の実質利回りです。実質利回り(ネット利回り)
賃料収入から年間経費を差し引き、物件の購入価格に購入時諸経費を合わせて計算します。
(年間家賃収入 - 年間経費 ÷ 物件の購入価格 + 購入時諸経費)×100= 実質利回り
次の物件で経費を計算してみましょう。
- 想定家賃 月額4万円×12カ月=48万円
- 価格(税込み) 400万円
- 購入時諸経費 40万円
管理費+修繕積立金 | 月額8000円×12カ月=9万6000円 |
固定資産税 | 2万円 |
保険料 | 1万円 |
PMフィー (管理会社に支払う管理料) |
年間賃料の5% 48万円×5%=2万4000円 |
空室率 | 年間賃料の5% 48万円×5%=2万4000円 |
年間経費総計 | 17万4000円 |
(48万円 - 17万4000円) ÷ (400万円+40万円)×100= 6.95%
この計算式で出た数字が高いほど、収益が期待できることになります。
賃貸物件を購入し運用開始
資金を用意したうえで、賃貸物件を購入します。
投資物件も通常の不動産売買契約と同じ要領で購入できます。
また、賃貸物件を管理し運営する管理会社も選びます。
サラリーマンの場合は、自主管理するのは現実的ではないので、管理会社に委託することを前提に計画を立てておきましょう。
その後は、入居者を募集し、運用を開始します。
オススメ記事
【アパート経営の利回り最低ラインは?】表面利回り、実質利回りの計算方法
アパート利回りの最低ラインは表面利回りが5%、実質利回りが3%と言われています。本記事ではそれぞれの利回りの計算方法、不動産投資に失敗しないためのポイントなどを詳しく解説していきます。
不動産投資に向いている人
不動産投資に向いている人は、安定した収入を得ている独身の方です。
若いサラリーマンには特におすすめです。
安定した収入を得ているかどうか
不動産投資は自己資金のみで始めることもできますが、レバレッジ効果により大きな収益を得るためには不動産投資ローンを組むべきでしょう。
安定した収入があった方が、不動産投資ローンを組みやすくなります。
また、賃貸経営をしていると、設備機器の交換費用や修繕費用のために、一時的に自己資金を投入する必要性が生じることもあります。
そのような場合に備えて、賃貸収入とは別に安定収入を有していたほうが失敗が少なくなります。
独身者に向いている理由
既婚者の場合は不動産投資のために投入できる資金が限られてしまうためです。
家族で住むための不動産物件を購入して住宅ローンを組んでいれば、それとは別に不動産投資ローンを組みにくくなります。
また、自己資金にしても、子どものために貯金しなければならなかったり、様々な生活費がかかり、大きな額を用意しづらくなります。
その点、独身であれば、自分の生活にかかる費用は少ないですし、不動産投資のために投入できる資金もその分多くなります。
失敗したとしてもやり直せる
若い独身の方であれば、不動産投資で失敗したとしても、影響を受けるのは自分だけです。
賃貸物件をすべて手放して、回収した資金で再度、他の投資を始めたり、勉強しなおして再度不動産投資に挑戦することもできます。
既婚者だと、不動産投資に失敗すると、自分だけでなく家族の生活まで大きく影響を受けてしまう恐れがあります。
オススメ記事
不動産データからみる中央区の特徴!売買価格から相場、住みやすさまで徹底解剖
新築、マンションの平均相場や住みやすさなど不動産に関する様々なデータをもとに中央区の特徴について深掘りしていきます。これから中央区に移住を考えている方、不動産投資を考えている方などのお役に立てば幸いです。
まとめ
サラリーマンのための不動産投資の始め方について紹介しました。
この記事で書いたことは、入門のさらに入門知識でしかありません。
この記事だけでなく、不動産投資の始め方についての本をたくさん読みましょう。
自分で不動産投資の始め方の本が書けるくらいの知識がないと不動産投資は失敗すると思ってください。
本当に儲かる賃貸物件はめったに見つからないものです。
ただ、掘り出し物の賃貸物件を見つければ、リスクはそれほど高くなく安定した収益を得られるようになります。
この記事を参考に不動産投資についての勉強を始めてください。