不動産購入時にかかる諸費用の目安はいくら?モデルケースをもとに徹底解説!

  不動産購入時にかかる諸費用の目安はいくら?モデルケースをもとに徹底解説!

不動産を購入するにあたって、不動産購入代金以外に諸費用が必要です。この記事ではモデルケースをもとに諸費用を洗い出し、およそいくらかかるのか解説していきます。

宮本建一
【執筆・監修】宮本建一

金融機関に30年あまり在籍し、預金業務や融資業務、経理事務および内部監査業務、審査管理業務を経験しました。 これらの知見をもとに、金融関連(ファクタリング、資金調達、運転資金)、FP関連(保険、不動産、介護)、および法律関連(債務整理、遺産相続)を中心に執筆しています。 また、金融機関行職員を対象とした通信講座の教材執筆にも携わっています。

【保有資格】・FP2級 ・AFP ・金融内部監査士 ・簿記2級

不動産を購入するにあたって、不動産購入代金以外に諸費用が必要です。

諸費用には、どのようなものがあり、いくら必要であるかを知っておくことが重要です。

本記事では、不動産購入時にかかる諸費用の目安について解説します。

どのタイミングでどのような費用が、どれくらいかかるのかをモデルケースを使って紹介します。

初めて不動産を購入する人はぜひ参考にしてください。

不動産購入時の諸費用とは

不動産を購入する場合、物件代金以外に諸費用が必要です。

諸費用には以下のものがあります。

  • 不動産購入時にかかる諸費用
  • 住宅ローン利用時にかかる諸費用
  • 不動産登記にかかる諸費用
  • 不動産購入後にかかる諸費用
  • その他諸費用

上記に掲げた費用は、通常現金で支払います。

不動産購入時において、住宅ローンの頭金同様に準備する必要があります。

不動産購入時にかかる諸費用

不動産の売買を不動産会社に仲介して行う場合、不動産会社に仲介手数料を支払い、売買契約を交わす際に、契約書に貼付する印紙税が必要です。

仲介手数料

仲介手数料は、中古マンションや戸建てを購入した場合に必要です。

不動産会社の仲介により中古不動産を購入した場合、不動産会社に支払うお金です。

売買契約時と引き渡し時に分けて支払うことも多いようです。

仲介手数料(消費税別)=取引価格×3%+ 60,000円(速算式)で計算できます。

印紙税

不動産売買を行った場合、売買契約書を作成します。

契約書には印紙を貼付しなければなりません。

契約書に記載される金額により、貼付する印紙税額が決まっています。

参考:国税庁|No.7140印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで

住宅ローン利用時にかかる諸費用

不動産を購入する場合、購入者の多くは、住宅ローンを利用するのではないでしょうか。

住宅ローンを利用する場合にも、費用が必要です。

主な費用として、以下のものがあるので、一つずつ紹介します。

  • ローン保証料
  • 事務手数料
  • 印紙税
  • 火災保険料、地震保険料

ローン保証料

住宅ローンは、保証会社の保証付きのローンであるのが一般的です。

購入者は保証会社に保証料を支払わなければなりません。

住宅ローン実行時に一括して支払うのが一般的です。

保証料は融資金額や借入期間、保証会社によりまちまちですので、住宅ローン保証料は取扱金融機関に確認しましょう。

事務手数料

事務手数料は、住宅ローンを利用するに際して、金融機関に支払うお金です。

事務手数料は住宅ローンを取り扱う金融機関によって異なります。

30,000円~100,000円が相場とされています。

住宅ローンを利用する前に確認しておくのもいいかもしれません。

印紙税

住宅ローンを利用するにあたって、購入者は金融機関と金銭消費貸借契約を交わす必要があります

売買契約書同様、金銭消費契約契約書にも印紙を貼付しなければなりません。

参考:国税庁|No.7140印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで

火災保険料、地震保険料

住宅ローンを利用する場合、火災保険や地震保険に入る必要があります。

建物を担保として金融機関は住宅ローンを実行するため、火災による損害を最小限に抑える必要があるのが理由です。

火災保険証書は、いざという時に備えるため、金融機関が保管して、質権を設定するのが一般的です。

抵当権設定費用

住宅ローンを利用して不動産を購入する場合、土地や建物に抵当権を設定します。

抵当権を設定する場合、登録免許税が必要です。

登録免許税とは、不動産に登記を行うために必要な税金です。

抵当権を設定するために必要な登録免許税は、住宅ローンの借入金額に税率0.4%を掛けて算出します。

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不動産登記にかかる諸費用

不動産購入を行った場合、所有者が誰であるのかを第三者に示すため、登記を行う必要があります。

登記を行う場合、登録免許税や、登記申請の手続きを行う司法書士への報酬が発生します。

登録免許税

登録免許税の税額は、土地や建物の評価額に税率を掛けて計算します。

税率は土地の場合は2.0%、建物の場合、新築なら0.4%、中古住宅なら2.0%です。

土地や建物の評価額は、市町村役場が管理する固定資産課税台帳に登録された価格を適用します。

新築の建物の場合、登記官が認定した価額となるので、その不動産を管轄する法務局で確認することが必要です。

参考:国税庁|No.7191 登録免許税の税額表

司法書士報酬

不動産を購入する場合、所有権移転や建物の新築時においては保存登記を行います。

登記を行う場合、司法書士に依頼するのが一般的です。

司法書士報酬は事務所によりさまざまです。

50,000円~100,000円が相場とされています。

不動産購入後にかかる諸費用

不動産を購入すると、購入時に不動産取得税、毎年固定資産税、都市計画税を支払うことが必要となります。

不動産取得税

不動産取得税は文字通り、土地や建物を取得した時にかかる税金です、不動産の所在する都道府県に納めます。

都道府県が固定資産課税台帳に登録されている不動産価格に4%の税率を掛けた金額が不動産取得税となります。

不動産取得後、半年後に納税依頼がくるので、忘れずに納めましょう。

固定資産税、都市計画税

固定資産税とは、所有している土地や建物に対してかかる税金です。

都市計画税とは都市計画事業や土地区画の整備などに充当するために必要な税金です。

固定資産税率は1.4%、都市計画税率は0.3%で、それぞれ不動産の課税標準額に掛けて税額を算出します。

不動産の課税標準額は、3年ごとに見直しがあるので、納税額が変動します。

その他諸費用

その他、不動産購入関連以外の諸費用として、引っ越し費用があります。

引っ越し費用は、距離や世帯人数により相場は違いますが、複数の引っ越し業者に相見積もりを取ることで費用が抑えられる可能性もあります。

また、新居の購入にあわせて、家財道具の新調する場合も費用がかかることを忘れてはいけません。

不動産購入にかかる諸費用のモデルケース

不動産購入に際しての諸経費がどれくらい必要であるのかについてモデルケースを示します。

モデルケース作成にあたり、京都不動産の概算シミュレーションを使用しています。

参考:京都不動産NET|簡単!不動産・住宅購入の諸費用・経費 概算シミュレーションと解説

新築住宅を購入した場合

以下の新築物件を購入した場合の諸費用は、およそ245万円になります。

物件金額:4,000万円
住宅ローン:3,000万円

費用 金額
登記費用および登録免許税 約80万円
住宅ローン抵当権設定登記 約17万円
売買契約書 印紙代 約3万円
固定資産税 約10万円
住宅ローン事務手数料 約5.4万円
火災保険料 約40万円
不動産取得税 約90万円
諸費用合計 約245.4万円

中古住宅を購入した場合

以下の中古住宅を購入した場合の諸費用は、381万円あまりです。

物件金額:4,000万円
住宅ローン:3,000万円

費用 金額
仲介手数料 約136.1万円
登記費用および登録免許税 約80万円
住宅ローン抵当権設定登記 約17万円
売買契約書 印紙代 約3万円
固定資産税 約10万円
住宅ローン事務手数料 約5.4万円
火災保険料 約40万円
不動産取得税 約90万円
諸費用合計 約381.5万円

中古物件を購入する場合、新築物件より不動産会社に支払う仲介手数料が必要となるため、諸費用が高くなります。

上記に算出した諸費用には、引っ越し費用や家財道具購入費用は含まれていません。

必要に応じて諸費用を計算しましょう。

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まとめ

不動産を購入する場合、以下の費用が必要です。

  • 不動産購入時にかかる諸費用
  • 住宅ローン利用時にかかる諸費用
  • 不動産登記にかかる諸費用
  • 不動産購入後にかかる諸費用
  • その他諸費用

不動産を購入する場合、諸費用がどれくらい必要であるかも検討して不動産物件を選ぶことがとても重要です。

諸費用を考えずに不動産物件を選ぶと、場合によっては物件変更を検討せざるを得ない事態に陥ってしまうケースもあります。

費用一つひとつは少額でも、合算すると大きな金額になります。

諸費用がどれだけ必要であるのかを事前に把握し、不動産購入プランを立てるようにしましょう。

参考:
総務省|地方税制度|都市計画税
財務省|登録免許税に関する資料
京都不動産NET|簡単!不動産・住宅購入の諸費用・経費 概算シミュレーションと解説)

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