不動産データからみる足立区の特徴！売買価格から相場、住みやすさまで徹底解剖

足立区というと「治安が悪い」「平均所得が低い」など、東京の中でもネガティブなイメージが強いエリアです。

しかし最近は再開発が進んだ関係から飛躍的に治安は向上し、閑静な住宅街へと変わりつつあります。

また、都心や埼玉にも近いことから、通勤や通学への利便性も高い地域です。

足立区の特徴や実際に居住されている方の口コミ、また住宅事情について詳しく解説していきます。

足立区の特徴

都内で最も「治安が悪い」というイメージのある足立区ですが、今はそのようなことはありません。

治安はむしろ都内ではよい方で、自然と調和した住宅街となっています。

足立区の主な特徴は次の通りです。

• 23区内3番目の広さ
• 舎人公園や荒川の河川敷など自然豊
• 治安の良さは23区中8位で治安はよい
• 千住や西新井大師など江戸風情が残る
• 北千住駅前は再開発が進み若者が集まる

足立区の面積は大田区と世田谷区に次ぐ23区中3番目の大きさを誇ります。

区内には荒川を中心として河川が多く流れており、水と緑も豊富です。

再開発によって治安は年々回復しており、今は東京23区の中でも8番目に治安のよい街とされています。

千住をはじめとした歴史ある街並みだけでなく、区内の主要駅である北千住駅周辺は再開発が進み、若者が集まる場所にもなっています。

足立の人口・世帯平均年収のデータ

足立区の基本情報です。

参考：足立区の年齢別人口(令和5年４月）
東京都足立区の住まいと暮らしやすさ

東京都平均の高齢化率は22%程度であるのに対して、足立区の高齢化率は平均を上回る24.5%となっています。

また、区民の平均年収は490万円と、東京都内の平均年収である564万円を大きく下回り、全国平均の506万円すら下回っています。

さらに、年収300万円未満の人が区内で最も多くの割合を占めており、足立区は高齢者が多く、東京都内でも所得の低い方が多い地域です。

以前は、この平均所得の低さが治安の悪さに繋がっていると考えられる側面はありましたが、今は治安については改善しているため、さまざまな所得の方が暮らしやすい地域だと言えるでしょう。

足立区の生活環境や利便性、安全性に関する情報

足立区は荒川を中心とした河川の多い「緑と川の街」です。

そのため、実は農業も盛んで、エダマメは都内で2位、小松菜は3位の収穫量を誇っています。

都心への利便性が多いためベッドタウン的な性格を持っている一方、工場なども多く中小規模事業者の商工業都市都市という側面があります。

また、「治安が悪い」というイメージをもたれている足立区ですが、実は治安は23区内でも8番目に良好で、特に次のような地域は治安がよいことで知られています。

• 新田
• 江北
• 六町
• 北千住
• 綾瀬
• 西新井
• 梅島
• 竹ノ塚

また、足立区は都心に近く交通の利便性も高いエリアです。

区内の基幹駅である北千住駅には次の路線が乗り入れています。

• JR常磐線
• 東京メトロ日比谷線
• 東京メトロ千代田線
• 東武伊勢崎線
• つくばエクスプレス

東京の東の玄関口でもあるため、千葉・茨城方面の利便性が非常に高く、都心へは地下鉄で数駅程度と非常に利便性が高くなっています。

足立区の不動産のデータ

足立区の戸建て住宅、マンション、賃貸住宅の家賃相場などのデータをご紹介していきます。

新築・中古の戸建平均価格

アットホームに掲載されている物件によると、足立区の中古戸建て住宅の平均価格は4,590万円となっています。

参考：足立区の一戸建て価格相場を調べる

建物面積では80㎡〜120㎡で4,590万円となっており、全国平均(126㎡)よりも少し狭い程度の物件が4,500万円程度で購入できます。

物件数の掲載も多いため、足立区であれば一戸建てを購入することも夢ではありません。

なお、足立区の宅地の平均価格は45万6901円/㎡、151万0419円/坪となっています。

参考：土地代データ

建物価格が5,000万円で50㎡の家を建築する場合、7,000万円〜8,000万円程度で建築できるため、足立区であれば新築一戸建てでも決して不可能ではないでしょう。

新築・中古のマンション平均価格

LIFULL HOME’Sによると足立区の新築・中古マンションの平均価格は次の通りです。

参考：LIFULL HOME’Sが東京23区の新築マンション平均価格を区単位で調査
東京都足立区の中古マンション価格相場情報

新築マンションの平均単価であれば、足立区は23区中最安値となっています。

また、中古マンションの平均価格は3,568万円となっており、一般的な会社員の方でも十分に手が届く範囲だと言えます。

足立区は一般の会社員が戸建て新築マンションを購入できる23区の中では希少な場所だと言えるでしょう。

家賃相場

LIFULL HOME’Sによると、足立区のマンションの家賃相場は次の通りです。

引用：LIFULL HOME’S｜足立区の家賃相場情報

結婚生活を送るのであれば2LDK程度の間取りが必要になりますが、足立区であれば16万円台で借りることが可能です。

少し間取りが古い3DLであれば11万円で借りられるので、結婚生活後も十分な広さで賃貸住宅を借りられます。

足立区は「住んでみたい街ランキング」で「穴場と思う街 1位」に4年連続で選ばれています。

治安がイメージほど悪くはなく、これだけ家賃が安いのであれば、居住地域として穴場であることは間違いないでしょう。

できる限り生活コストを落としたい方に足立区はおすすめです。

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足立区の不動産市場の動向や将来性に関する分析

今後、足立区の不動産市場はどのように予測されているのでしょうか？

ダイヤモンド不動産研究所のコラムにて麗澤大学AIビジネス研究センターの 仙石裕明客員准教授は、足立区の土地価格は過去10年間で+14.7%と大きく上昇していることを指摘しています。

人口減少によって地方から都市部への若者人口の流入はさらに増えると予測しています。

ただ、この数字は周辺エリアがこの10年間で29.5%価格上昇したことと比較すると、資産性は低いと言えます。

今後、人口減少によって、人口はますます都心に集中し、資産性のないエリアの地価は下がっていくことが予想されるため、足立区の地下は将来的に下落するとの予測です。

本コラムでは、足立区の不動産価格をグッド、ノーマル、バッドの3つのシナリオに分けて以下のように予測しています。

• グッドシナリオ：10年間で+18.8%
• ノーマルシナリオ：7,580万円：10年間で▲7.1%
• バッドシナリオ：5,393万円：10年間で▲14.7%

予想通りに人口流出や景気動向が進捗すれば、今後10年間で7%以上の下落が見込まれるエリアです。

資産運用目的で足立区へ投資することについては慎重になった方がよいかもしれません。

参考：東京都足立区の土地価格・相場は？ 今後10年の価格推移も予想！【不動産価格データベース】

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足立区のおすすめエリア

足立区に居住する方におすすめエリアは次の通りです。

• 北千住：商業施設や居酒屋が多く点在。北上すれば地方へ帰省もできる
• 西新井：駅の周辺には大型の商業施設があり、家賃も手軽。2022年に再開発によって駅も綺麗に
• 綾瀬・北綾瀬：東京メトロ千代田線では北綾瀬が始発、綾瀬がその次なので、通勤で座席にゆっくり座れる
• 梅島：駅周辺に商店や居酒屋が多い。病院や学校なども周辺にあり、教育環境も充実

参考：足立区は住みやすい？タイプ別にオススメのエリアや治安をご紹介

足立区の住民の口コミなど

実際に足立区に住んでいる住民の方の口コミをから集めてみました。

• 「子育て支援が充実しておりサポートが手厚い。家賃が安いのに都心へのアクセスがよく、ファミリー層には住みやすい(20代女性)」
• 「薬局やスーパーは多く食品や日用品を買うのに困らない(20代女性)」
• 「夜の治安が気になり、子供を夜遅くには出歩かせたくないです(20代女性)」
• 「子供用品を買うところやファミリー向けの飲食店が少ない(20代女性)」

引用：足立区の特色・特徴

良い口コミも悪い口コミも投稿しているのは、20代の女性という点が特徴的です。

住居費が安い足立区は20代30代の若いファミリー層が住みやすい地域だと言えるでしょう。

まとめ

足立区は荒川、北千住駅などを中心とした緑と川の住宅街です。

治安が悪いというイメージがありますが、治安はむしろ23区内では良い方で、居住エリアを選べば静かな環境で安心して生活できます。

注目すべきは住居費の安さで、中古マンションは3,000万円台、新築マンションでも4,000万円台で購入が可能です。

ただし、将来的には不動産価格は下がっていくと見なされている地域ですので、長期的な資産運用目的で購入することはおすすめできません。

都心にもほど近いので、住居費を抑えたい20代〜30代のファミリーの方に足立区はおすすめのエリアです。