注文住宅を建築することは、一生に一度の大きな買い物です。
注文住宅を発注する際には、資金計画と相場を考えた注文住宅のプランが必要です。
この記事では、注文住宅の相場価格や予算計画、よくある失敗とその回避方法について紹介します。
この記事を読むことで、正しい資金計画をもとに、後悔のない家づくりをすることができます。
注文住宅の相場価格
注文住宅の価格の相場について説明します。
全国の注文住宅の相場価格
2022年度の住宅金融支援機構の調査によると全国で建てられている注文住宅の価格を平均すると約3717万円となります。
また、建築された住宅の床面性の平均は122.8㎡となっています。
住宅業界では、注文住宅の相場を比較する際に、坪単価と呼ばれる数値が用いられます。
これは、床面積を坪という単位に換算し、建築費用を坪数で割ることで算出できます。
全国の注文住宅の平均価格と床面積から平均坪単価を算出すると
床面積(㎡)×0.3025=床面積(坪)より
122.8㎡×0.3025=37.15坪
平均建築費用÷平均床面積(坪)=平均坪単価より
3717万円÷37.15坪=1,000,538円
しかし、
以上の計算結果より、全国の注文住宅の平均坪単価は約100万円となります。
地域ごとの相場価格の違いについて
全国の注文住宅の平均坪単価は約100万円でしたが、地域によって注文住宅の平均坪単価は変化します。
住宅金融支援機構の調査を参考に、首都圏、近畿圏、東海圏、その他の地域の平均坪単価を算出すると以下の通りになります。
地域 | 平均建設費用 (万円) |
平均床面積 (㎡) |
平均床面積 (坪) |
平均坪単価 (万円) |
---|---|---|---|---|
首都圏 | 4015.9 | 123.4 | 37.33 | 107.6 |
近畿圏 | 3990.5 | 126.1 | 38.15 | 104.6 |
東海圏 | 3788 | 125.2 | 37.87 | 100 |
その他 | 3502.3 | 121.3 | 36.69 | 95.5 |
以上の結果から、首都圏、近畿圏、東海圏の都市部とその他の地域を比較すると坪単価で最大で12万円もの差があることがわかります。
都市部での建築費用は高額になるケースがあるため、自分の住んでいる地域のハウスメーカーの坪単価を調査し、事前に平均坪単価を把握しておくことで、相談したハウスメーカーが適性な価格が提示されているかどうかが判断できます。
相談したハウスメーカーが平均坪単価よりも高い提案をしてきた場合は、その理由を必ず聞きましょう。
建築材料の選択が価格に与える影響
建築費用は、住宅に使用する材料によっても大きくコストは変わります。
例えば、木材の種類、外壁材、屋根材、内装材など、各素材の品質と価格は全て異なります。
また、地域によっては、夏の暑さや冬の寒さに対応するための設備に多額の費用がかかるため注意が必要です。
建築費用の詳細
建築費用の平均価格について説明しましたが、建築費用の内訳にはどのようなものがあるかを説明します。
設計費用
注文住宅を建築する際に、設計士や建築士による設計費用がかかります。
設計費用は、メーカーごとにさまざまであり、構造が複雑であったり、デザイン性が高い設計である場合には高額になる場合が多いです。
見積もりには明確に記載されないことがあるため、各メーカーの営業担当に問い合わせてみるのがオススメです。
工事費用とその内訳
注文住宅の建築費用のほとんどは、建築のための工事費用です。
主な工事費用の内訳には地盤改良、基礎工事、枠組み、屋根と外壁、内装、設備工事などがあります。
これらの費用は、材料の選択や工事の複雑さ、工事に要する期間によって変動します。
注意すべきなのは、建設予定地の地盤が軟弱なため地盤の改良が必要なケースです。
住宅の工事において最もお金がかかるのは基礎工事であり、地盤改良が必要となると基礎工事が高額になる場合があり、坪単価も高くなります。
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注文住宅によくある失敗と対策
注文住宅は、顧客とハウスメーカーの営業担当の間で打ち合わせが複数回行われ、顧客の要望を実現した住宅をプランニングします。
この打ち合わせにおける失敗例とその対策についてご紹介します。
修正点が図面に反映されない
打ち合わせの多くは、営業担当から最初のプランが提案された後、それらを修正していくことで進んでいきます。
構造が複雑であったり、要望が多い場合、1回の打ち合わせで生じる図面の修正点が多くなります。
それらが建築士や設計士のミスで反映されないまま打ち合わせが進んでいき、工事が終わってから気づくということがあります。
このケースの場合、施主とハウスメーカーの担当の間で、言った言わないの問題に発展しトラブルの解決が難しくなることが予想されます。
打ち合わせの際には、建築士や設計士に要望を伝えるだけでなく、伝えた内容をメモや録音などで記録することでトラブルを防げます。
工事の遅延
世界情勢による材料不足や、気候の変化などにより注文住宅の建築が遅れることはよくあります。
引っ越し業者や仮住まいなどの手配は充分余裕を持った日程で行うようにしましょう。
また、進捗を逐一担当に確認することで、工事の遅延をいち早く知ることができます。
場合によっては、ハウスメーカーの発注遅れや忘れなどで工事が遅延することがありますので、工事の進捗の連絡がなくても、こちらから連絡をしたり、現場の見学を依頼することで遅延を減らす努力ができます。
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注文住宅の費用を抑えるためには?
近年、原材料の高騰や輸送コストの上昇により住宅の値段が上がり続けています。
なるべく費用を抑えるための方策についてご説明します。
一般的な間取りにする
建築にかかる費用を抑えるためには、注文住宅が一般的かつ単純なものにする必要があります。
自分や家族のこだわりを全部取り入れた住宅を依頼すると、それだけ間取りが複雑になり、設計や工事に時間がかかります。
時間がかかる分だけ、住宅の費用が高額になるので注意すべきです。
注文住宅に居住する家族全員で、住宅の要望を絶対に実現したいこととなるべく実現したいことに分類したうえで打ち合わせに望むことで無駄のない住宅のプラン設計につながります。
価格交渉をする
複数のハウスメーカーから見積もりをとることで、価格の交渉ができます。
交渉次第では、価格が減額できたり、特定の設備が無料で設置できるといった実質的な値下げも期待できます。
ただし、地方の工務店などの中小規模の建築会社では相見積もりを嫌う会社も存在するため、価格交渉ができない場合があります。
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建築費用以外にかかる費用
注文住宅を建てる際に、住宅にかかる費用だけでなくさまざまな費用がかかります。
それらを踏まえて、総予算を決定することが重要です。
外構
カーポートや舗装、造園などの外構費用が建築費用に含まれないケースがあります。
外構費用は、敷地面積が広い場合に高額になるケースがあります。
建築費用に外構の費用が含まれているかどうかを事前に必ず確認しましょう。
家具・家電
注文住宅を建築した際に、新しい家具や家電を購入する人が多いです。
家具や家電の中には1つ数十万円もするものがあり、高額になる場合が多いです。
また、住宅ローンに家具や家電の購入費用を含めることは基本的にはできないため、購入方法について事前に検討する必要があります。
予備費
予期せぬ出費への備えとして、予算の10〜15%を予備費として確保しておくと安心です。
追加の工事が必要になったり、固定資産税や火災保険代の請求が想定より高額になった場合にもすぐに対応できます。
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まとめ
注文住宅の相場と失敗例について紹介しました。
よくある失敗例を防ぐためには以下のことを行いましょう。
- 図面の修正箇所は後で確認できるようにメモする
- 営業担当の許可を取れれば、打ち合わせを録音する
- 工事の進捗は自ら電話、メールで確認する。
- 可能であれば現場の見学を行う。
注文住宅は、建物だけで4000万円以上になることもある大きな買い物です。
ハウスメーカーの担当の少しの行き違いや、プランへの理解不足により、建築費用が想定より高額になるケースも珍しくありません。
事前に、注文住宅の建築に関する全ての費用についてシミュレーションを行い、総予算を決定したうえでハウスメーカーとの打ち合わせをしましょう。