不動産エージェントとは?不動産仲介業者との違いや業務内容を現役宅建士が徹底解説

  不動産エージェントとは?不動産仲介業者との違いや業務内容を現役宅建士が徹底解説

本記事では、まだまだ日本で馴染みの浅い不動産エージェントについて解説していきます。不動産エージェントならではのメリットなどもありますのでぜひ最後までご覧になってください。

シンタロウ
【執筆・監修】シンタロウ

不動産会社の宅建士2年目、賃貸、売買、空き家の管理、宿泊などさまざまな空き家の活用に取り組んでいる。 教員から転職して不動産会社に勤務しています。 宅建士以外にもFP3級を取得しており、今後は法律関係の資格を取得予定です。 最近できるようになったことは事故物件が感覚でわかるようになったこと。

【保有資格】宅建士

不動産の売却や購入の際には、不動産会社が仲介に入って取引が進むのが一般的です。

しかし海外では、不動産会社だけではなく、不動産エージェントが売主や買主の代理人となって取引をサポートすることがあります。

また、日本でも不動産エージェントという職業が認知されてきており、不動産を売却する際の依頼先の選択肢の1つとなっています。

不動産エージェントは日本でまだまだ馴染みがなく、依頼するのを躊躇する人がほとんどです。

ですが、不動産エージェントに不動産の購入や売却のサポートを依頼することで、不動産会社よりも丁寧で迅速な対応がされる可能性があります。

この記事では、不動産エージェントの業務内容や、不動産会社との違いを解説します。

これから不動産の売却を検討していたり、購入する不動産を探している方はこの記事を読むことで、不動産エージェントについて詳しくわかるだけでなく、依頼するメリットもわかります。

ぜひ、参考にしてみてください。

不動産仲介業者との違い

日本では、不動産売買に関しては不動産仲介業者に依頼することが一般的です。

不動産仲介業者と不動産エージェントには下記のような違いがあります。

  • 仲介方法
  • 個人と法人の違い

両者の違いを把握したうえで依頼先を検討することで、自身に合った選択ができます。

仲介方法

不動産仲介業者と不動産エージェントの最大の違いは、仲介方法です。

不動産仲介業者が不動産売買の仲介をする際には「両手仲介」が基本です。

両手仲介とは、売主と買主の両方から仲介の依頼を受けて、双方の間に入って売買契約を進めていく方法です。

この方法の場合、不動産仲介業者は売主と買主の両方から売買代金に応じた手数料をもらえます。

ただし、不動産仲介業者は売主と買主双方の立場を尊重しながら契約を進めていく必要があるため、双方が納得のいく契約とならない場合が数多くあります。

その一方で、不動産エージェントが仲介をする際には「片手仲介」となります。

片手仲介とは、売主または買主の一方から仲介の依頼を受けて、売買のサポートをする方法です。

この方法の場合、両手仲介と違い、仲介手数料は売主と買主のどちらか一方からしかもらえません。

その代わり、両手仲介とは異なり、どちらか一方の立場を優先すればよいという利点があります。

双方の立場を考えて契約の調整をする必要がなく、依頼者の利益のみを考える不動産エージェントの方が、依頼者にとって満足のいく契約となる可能性が高いです。

個人と法人の違い

不動産仲介業者のほとんどが法人であるのに対して、不動産エージェントは個人で動いていることがほとんどです。

そのため、不動産仲介業者に依頼した場合、営業担当や宅建士など複数の人間が取引に携わる可能性が高いです。

また、契約を進めている最中に、担当者の退職や異動などにより、担当者が変更となることも少なくありません。

不動産取引は担当者の経験や力量によって左右されることが多く、担当者が変更となることで取引にマイナスな影響がある恐れがあります。

一方、不動産エージェントはほとんどが個人で活動しています。

そのため、依頼に対して毎回同じ人が担当します。

担当者が変更となることはなく、取引の最初から最後まで同じ人が携わります。

ただし、不動産エージェントは個人で活動しているため、複数の案件を担当していると、対応が遅くなってしまう可能性があるため注意が必要です。

不動産エージェントの業務内容

ここでは、不動産エージェントの業務内容を紹介します。

物件探し

不動産エージェントの業務には、物件探しがあります。

不動産エージェントは物件を探している人からの依頼を受けて、予算や立地、構造や間取りなどの希望条件をもとに最適な物件を探します。

不動産エージェントは、不動産に関する豊富な知識や経験を持っているため、一般の人が物件を探すよりも、物件の選定が早いです。

また、さまざまなネットワークを駆使して物件を探すため、市場に流通しているが見つけにくい物件からも依頼者の希望する物件を探すことが可能です。

価格交渉

不動産エージェントは、不動産の買主からの依頼を受けて、売主との価格交渉を行います。

不動産会社とは違い、不動産エージェントは買主からのみ仲介の依頼を受けているため、買主の希望を100%尊重して価格交渉を行なってくれます。

不動産売買の際の価格交渉には、購入したい不動産の相場や状態を正確に把握する必要があるため、専門的な知識が求められます。

不動産エージェントには、豊富な知識と経験があるため、交渉が有利に進められる可能性が高いです。

契約手続き

不動産エージェントは、売主や買主の代わりに契約の手続きを行います。

不動産売買における契約手続きはただ書類に署名や捺印を行えば良いわけではなく、さまざまな書類を作成したり、いくつものステップを踏む必要があります。

多くの人が不動産売買を経験したことがなく、書類を用意し忘れたり、お金を支払うタイミングがわからなくなったりして、手続きがスケジュール通りに進まないことが少なくありません。

不動産エージェントはさまざまな契約を行なってきた経験があるので、用意する書類や契約の流れを完全に把握した上で適切な対応を行えます。

不動産エージェントに依頼する際の注意点

不動産エージェントに依頼することにはさまざまなメリットがあります。

しかし、実際に依頼をする前には、注意すべき点があります。

エージェントの力量に取引が左右される

不動産取引がうまくいくかどうかや、価格交渉が成功するかどうかは不動産エージェントの力量に左右されます。

依頼先を探す際には、不動産エージェントのHPやSNS、または口コミを見て信頼できるエージェントを選ぶべきです。

実際の取引事例やサービス内容を確認した上で、依頼先を比較検討する必要があります。

数が少ない

不動産会社は日本中に数多く存在しますが、不動産エージェントは日本ではまだまだマイナーな職業であり、まだまだ数が少ないです。

そのため、不動産エージェントに依頼したいと思っても、依頼できる不動産エージェントが身の回りにいないことがほとんどです。

また、数が少ないため、選択肢が限られるため、信頼できる不動産エージェントを見つけることは困難といえます。

特定の業務に別途費用がかかる可能性がある

不動産エージェントには、取引が成立した場合、不動産会社と同じように仲介手数料を支払う必要があります。

ただし、不動産エージェントによっては、現地調査や取引の代理をする場合に、仲介手数料とは別に費用がかかることがあります。

不動産エージェントは基本的に片手仲介となり、不動産会社と比べるともらえる仲介手数料が少ないため、不動産会社より仲介手数料の範囲内でできる業務が少なくなる可能性があるからです。

そのため、依頼をする前に、不動産エージェントに料金体系やサービス内容を問い合わせ、必要であれば見積もりを依頼することがおすすめです。

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まとめ

ここまで、不動産エージェントの概要、不動産仲介業者との違い、業務内容、そして依頼する際の注意点を解説しました。

不動産エージェントは、まだまだ日本では少ないですが、売買の際に、売主や買主のサポートを行い、物件探しや価格の交渉などあらゆる業務を行なってくれます。

不動産仲介業者と違い、売主または買主のどちらか一方のみのことを考えて交渉や契約の調整を行うため、依頼者にとって納得のいく取引になる可能性が高いです。

不動産の売却を検討していたり、マイホームの購入をしたりする場合には、不動産仲介業者ではなく不動産エージェントに依頼することで、売買に関してきめ細かいサポートが受けられます。

依頼する不動産エージェントは、ネットの口コミやエージェントのHPを参考にして、信頼と実績があるエージェントを選びましょう。

信頼できる不動産エージェントを選ぶことで、取引が円滑に進むだけではなく、依頼者が得る利益を最大化することが可能です。

参考:不動産エージェントとは?仲介との違いや業務内容、実態について解説

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