「不動産を期限までに現金化したい」
「不動産を確実に売って次の購入資金にしたい」
「不動産の売却にかかる手間や時間を省きたい」
こんな悩みや疑問をお持ちであれば「不動産の買取保証」という選択肢で問題が解決するかもしれません。
買取保証は仲介と買取の長所を組み合わせた方法で、高値売却の可能性を保ちつつ、確実な売却も保証されます。
本記事では、買取保証の仕組み、メリット・デメリット、向いている人の特徴、そして利用時の注意点を詳しく解説します。
なるべく早く確実に不動産を売却したいときの、新たな選択肢として参考にしていただける内容です。
不動産買取保証とは
不動産売却には「仲介」と「買取」の2種類があります。
仲介は、売主が希望する売却価格で売れるよう、不動産会社に売却活動を依頼する契約です。
買取は、不動産会社が不動産を買い取ります。
買取保証は、仲介と買取の長所を合わせた売却方法です。
一定期間内に仲介で売れなかった場合、不動産会社が事前に決めた金額で物件を買い取ります。
これにより、売主は高値売却の可能性を保ちつつ、確実な売却も保証されるため、売却時期の不安が軽減されます。
買取保証と即時買取の違い
買取保証は高く売れる可能性を残しつつ、最終的な売却を保証する方法で、市場価格の70~90%で売却に至るのが一般的です。
一方、即時買取は素早く確実に売却できますが、多くの場合価格は市場の60~80%と買取保証より安くなります。
売却を急いでいる時には有効な手段です。
即時買取の場合、仲介手数料はかかりません。
不動産買取保証のメリット
不動産買取保証には以下のような4つのメリットがあります。
メリット | 概要 |
---|---|
早く確実に売却できる | 一定期間内に売却が成立しない場合でも、不動産会社が 事前に設定した価格で買い取るため、確実に売却可能 |
資金計画が立てやすい | 期間内に売却できなくても、売却価格が 保証されているため、次の住居購入や 資金計画が立てやすい |
契約不適合責任※が 問われない |
仲介で売却した場合、売主は買主に対して 契約不適合責任が発生するが、通常買取に なった場合、契約不適合責任が発生しない |
仲介手数料がかからない | 仲介手数料は成功報酬のため、売却活動を行っても 売れなかった場合、仲介手数料は発生しない |
※契約不適合責任
契約内容と異なる傷や欠陥などがあった場合売主が負う責任
不動産買取保証のデメリット
不動産買取保証には以下のような5つのデメリットがあります。
デメリット | 概要 |
---|---|
買取価格は市場価格より 安い |
売却期間中に希望価格で売却できなかった場合の 買取価格は、相場より7~8割になることが多い |
囲い込みのリスクがある | 不動産会社によっては他の買主からの問い合わせを 制限し売れないように囲い込むリスクがある |
積極的に売却活動を しない可能性がある |
販売活動に経費や時間をさかず、安く買い取るつもりで 最初から積極的に売却活動をしない可能性がある |
複数の不動産会社に 相談できない |
買取保証つき仲介契約は「専属専任媒介契約」のため 他社に相談できない |
適用条件を定めている 場合がある |
不動産会社によっては買取保証に専有面積・耐震基準 など適用条件を定めている場合がある |
不動産買取保証をつけるべき人の特徴
不動産買取保証をつけるべきなのは、以下のような人です。
- 売却期間が限られている人
- 資金計画を立てる必要がある人
- 売却にかかる手間や時間を省きたい人
それぞれ解説します。
売却期間が限られている人
不動産の買い替えを検討している人や不動産を相続したが、相続税対策や相続人間での財産分与の関係で早く現金化したい人に向いています。
買取保証は通常3カ月以内の売却または買取が保証されているからです。
資金計画を立てる必要がある人
以下のような理由で資金計画を立てる必要がある人も、不動産買取保証をおすすめします。
- 住宅ローンの返済計画を立てる必要がある人
- 次の不動産購入のため資金を確保したい人
- 事業資金など特定の目的のために売却資金が必要な人
買取保証は売却のタイミングと最低売却価格が決まっているため、資金計画を立てやすいからです。
売却にかかる手間や時間を省きたい人
以下のような理由で売却にかかる手間や時間を省きたい人にも、不動産買取保証をおすすめします。
- 多忙で売却活動に時間を割けない人
- 遠方に住んでいて頻繁に物件の管理や内覧対応ができない人
- 高齢や体調不良などの理由で積極的に売却活動が難しい人
不動産買取保証は、一定期間内に売却できなかった場合、不動産会社が買い取ってくれるため、長期間売却活動をしたり複数の買主との交渉などの手間を省けます。
不動産買取保証の流れ
不動産買取保証の流れは以下の通りです。
- 不動産会社の選定
- 契約締結
- 売却活動
- 成約または買取
それぞれ解説します。
1. 不動産会社の選定
買取保証つき仲介をしている複数の不動産会社に査定を依頼し、サービスの内容や売却価格などを比較検討。
査定価格やサービスの内容から、依頼する会社を選定します。
2. 契約締結
査定価格や担当者の対応を参考に依頼する不動産会社を決めたら、契約を締結します。
契約時には、買取保証の具体的な条件もしっかり決めておくことが大切です。
3. 売却活動
契約締結後、不動産会社が不動産情報サイトに物件情報を掲載し、インターネットや店頭広告、チラシの配布を通じて販売活動を行います。
他社からの購入希望者が現れた場合、内覧対応を行うのが一般的です。
4. 成約または買取
買主が見つかれば、仲介手数料を不動産会社に支払います。
買主が見つからず不動産会社が買い取った場合、仲介手数料は発生しません。
不動産買取保証の注意点
不動産買取保証を利用する際には、以下のような3つの点に注意が必要です。
- 買取価格の確認
- 契約条件の確認
- 業者の選定
買取価格の確認
仲介で売却できた場合は市場価格相当になりますが、不動産会社が買い取る場合は、売れなかった場合のリスクを不動産会社が負うため、市場価格の7〜8割になります。
買取保証価格に納得できるかどうか事前に確認が必要です。
契約条件の確認
契約の前に、契約内容や解除条項をしっかり確認する必要があります。
買い取りになった場合の契約不適合責任の免除や仲介手数料の有無などを確認しましょう。
業者の選定
買取保証付きの場合、通常不動産会社1社のみと契約します。
デメリットでも触れたとおり、一部の悪徳不動産会社は「囲い込み」を行います。
囲い込みは他社からの買い取り希望者を受け付けず、自社でしか売却できない状態にしたり、積極的な売却活動を行わず、わざと価格の安い買い取りになるよう仕向けたりする行為です。
口コミや評判を確認し、信頼性のある業者を選ぶことがトラブル回避につながります。
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まとめ
この記事では、不動産買取保証の仕組み、メリット・デメリット、向いている人の特徴、そして利用する際の注意点について詳しく解説しました。
買取保証は、高値売却の可能性と確実な売却を両立できる方法です。
ただし、業者選びに失敗すると、大切な不動産は安く買いたたかれ、他の好条件での売却のチャンスをなくしかねません。
それほど業者選びや契約条件の確認は重要です。
この情報を参考にして、ご自身の状況や優先事項を考慮し、有利な条件で不動産売却を成功させるきっかけにしていただければ幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考元:
不動産の買取保証とは?即時買取との違いやデメリットについて解説します
買取保証とは何か。メリットや注意点を徹底解説!
買取保証付き仲介とは?メリット・デメリット、不動産売却の流れなどを全解説