日本人の長寿化や高齢化に伴い「人生100年時代」と言われることが多くなりました。
確かに人々が健康で長生きできる世の中は素晴らしいですが、そのぶん老後の生活費を自分で用意しなければなりません。
「老後2,000万円問題」で話題になったように、公的年金だけでは老後資金は不足しますし、それに加えて100歳まで生きるようになったらさらにお金が足りなくなる可能性もあります。
人生100年時代に若いうちから備えるための方法を詳しく解説していきます。
人生100年時代とは?
人生100年時代とは、その名のとおり、長寿化によって日本人の寿命が100歳程度になる時代を指します。
厚生労働省は人生100年時代について以下のように明記しています。
ある海外の研究では、2007年に日本で生まれた子供の半数が107歳より長く生きると推計されており、日本は健康寿命が世界一の長寿社会を迎えています。
100年という長い期間をより充実したものにするためには、幼児教育から小・中・高等学校教育、大学教育、更には社会人の学び直しに至るまで、生涯にわたる学習が重要です。
人生100年時代に、高齢者から若者まで、全ての国民に活躍の場があり、全ての人が元気に活躍し続けられる社会、安心して暮らすことのできる社会をつくることが重要な課題となっています。
日本は今後、今よりも健康長寿の国になり、100歳を超える寿命を持つようになることが予測されています。
人生100年時代は、老後に学び直しをしたり、老後も長期間人生を楽しめるような時代になるため、60歳や70歳で現役を引退しても、豊かに生活できるような金銭的な準備をしておく必要があります。
人生100年時代に必要な老後資金とは?
人生100年時代は、定年退職後に生活する期間が30年〜40年程度と非常に長期になります。
そのため、老後資金についても、今後は「100歳まで生活できる」という長期の視点のもとに計画を立てていかなければなりません。
人生100年時代にはどの程度の老後資金が必要になるのか、詳しく解説していきます。
高齢者世帯の1ヶ月の平均支出は24万円
高齢者世帯の1ヶ月の平均支出は約24万円と言われています。
総務省の「家計調査報告(2018年)」によると世帯主が65歳以上の2人以上世帯における1ヶ月あたりの消費支出平均額は以下のようになっています。
- 世帯主65歳以上:25万555円
- 世帯主70歳以上:23万7,034円
100歳まで生きる場合、65歳から70歳までの5年間で必要な生活費は約1,503万円で、70歳から100歳までの30年間で8,533万円で、合計で1億36万円です。
つまり、老後の65年間で約1億円の生活費が必要になります。
100歳まで生きるには1,600万円以上必要
一方、収入面を考えてみましょう。
夫が65歳以上、妻が60歳以上の高齢者夫婦無職世帯の1ヶ月の公的年金収入は約20万円と言われています。
65歳から100歳までの35年間では約8,400万円の収入があるため、35年間の生活費との差額である約1,600万円が不足することになります。
「老後2,000万円問題」で明らかになったことは、老後資金は年金だけでは足りないということです。
老後2,000万円問題の根拠は1ヶ月の生活費が26万3,717円という数字です。
最近の調査では、当時よりも1ヶ月の平均支出が下がっているため、2,000万円というほどではありませんが、やはり年金収入だけは生活費が不足するため、100歳まで平均的な生活を送るには、年金収入とは別に1,600万円程度の生活費がなければなりません。
今後は年金が減額の可能性も
100歳まで生活するには、年金が月20万円程度という点が前提となっています。
しかし、高齢化の進展に伴って社会保障財政が厳しくなる中で、年金は今後減額する可能性があります。
実際に厚生年金はこの10年で4%減、20年で16%ほど減少しています。
また、2024年は年金の増額幅を物価や賃金の伸びよりも小さくするよう調整するマクロ経済スライドが発動したことによって、物価上昇に伴う年金増は抑えられ、実質的な引き下げとなりました。
今後数十年を考えた時、さらに年金の給付が減額される可能性があるため、今までのように、老後資金の大部分を年金だけに依存するという考え方はリスクが高いことが分かります。
人生100年時代に備える不動産投資
人生100年時代には公的年金だけで生活していくことは困難です。
そのため、若いうちから老後資金の準備をしておくべきでしょう。
人生100年時代には不動産投資で備えることがおすすめです。
不動産投資には以下のような特徴があるため、人生100年時代の老後資金に適しているためです。
- 若いうちから融資を受けられる
- 生命保険に加入することと同じ効果がある
- ローン完済後は老後資金を用意できる
老後資金の備えに不動産投資が向いている3つの理由を詳しく解説していきます。
若いうちから融資を受けられる
不動産投資は時に1億を超えるような高額な資金が必要になります。
しかし、ほとんどの人はこの投資資金は融資を利用して調達しているのが実情です。
不動産投資ローンの審査の基準は主に投資する不動産の価値や収益力を確認することです。
不動産投資ローンの返済は投資物件から生じる家賃収入から行うものです。
万が一、融資や返済が滞った場合には、担保に入れている不動産を売却して返済に充てられるためです。
そのため、不動産投資ローンの審査では「投資物件から見込まれる家賃収入」や「担保となる物件の評価額」などが重視されます。
購入する物件が借入額以上の評価額であれば、若いうちから高額の借入を行って優良物件へ投資できる可能性があります。
株式や投資信託を購入する資金を銀行から借りることはほぼ不可能であることを鑑みれば、不動産投資は借入によって資産形成できる数少ない投資です。
借入が利用できる不動産投資は若いうちから老後に備える非常に有効な方法だと言えます。
生命保険に加入することと同じ効果がある
不動産投資をすることは生命保険に加入することと同じ効果があります。
不動産投資ローンを借りる際には、団体信用生命保険への加入を義務付けられるので、万が一借主が死亡したり高度傷害になったりした場合には、借入残金は保険金から支払われるので、家族にローンが残りません。
それどころか、家賃収入が発生する収益物件だけが残るので、家族には生命保険を残すことと同じ、もしくはそれ以上の経済的なメリットがあります。
若いうちから不動産投資をしておくことで、自分にもしものことがあった時に配偶者の老後資金になる点も不動産投資のメリットです。
ローン完済後は老後資金を用意できる
若いうちに不動産投資ローンを組み、不動産投資をしておき、現役時代のうちにローンを完済すれば、老後は家賃収入だけが入ります。
年金収入約20万円に対して、平均的な生活費は23万円〜25万円程度ですので、毎月3万円〜5万円程度の家賃収入さえあれば、老後は平均的な生活を送ることができます。
それほと大きな家賃収入でなくて、月数万円程度の家賃収入があるだけで、老後は安心して暮らしていけます。
そのため、現役時代のうちに完済できる程度の小規模な不動産へ投資することがおすすめです。
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まとめ
人生100年時代とは、日本人が100歳程度まで健康で生活できるようになる時代のことです。
そして、それはそれほど遠くない未来のこととして、政府も会議を立ち上げて準備をしています。
ご高齢の方が健康で長生きできる時代になることは素晴らしいですが、今の年金支給額や平均的な生活費を考慮すると、65歳から100歳までの35年間で、1,600万円ほど年金収入だけでは生活費が不足してしまいます。
人生100年時代を見据え、若いうちから準備をすることが非常に重要です。
不動産投資は借入によって資産形成できる数少ない方法ですし、万が一の場合も家族に家賃収入を残せます。
若いうちから、計画的に投資することで、100歳までお金に困らず充実した人生を送れることでしょう。
参考:人生100年時代を豊かに生きるためには
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