「低層マンションと高層マンションの違いは?」
「低層マンションのメリット・デメリットが知りたい」
「低層マンションの住み心地ってどうなの?」
住宅選びの際、低層マンションについて気になっている方も多いのではないでしょうか?
低層マンションは、駅から少し離れた閑静な住宅街に比較的多く、敷地内に緑などのゆとりの空間が多いため、日当たりや風通しが良好で、住み心地が良い物件が多いのが特徴です。
この記事では、低層マンションのメリット・デメリットや高層マンションとの違い、どんな人が低層マンションに向いているかなど、詳しく解説します。
低層マンションの特徴
低層マンションは、2〜3階建てのマンションを指すことが一般的です。
中には5階建てでも低層マンションと呼ばれるケースもあり、明確な定義はありません。
この記事では、3階建て以下のマンションを低層マンションとして解説します。
低層マンションは第一種低層住居専用地域または第二種低層住居専用地域に多く、以下のような特徴があります。
第一種低層住居専用地域 | 第二種低層住居専用地域 | |
---|---|---|
絶対高さ制限 | 10mまたは12m | |
建ぺい率 | 30%~60%の範囲内 | |
容積率 | 50%~200%の範囲内 | |
外壁の後退距離制限 | 敷地境界線~建物の外壁までの距離は1mまたは1.5m | |
建築可能な建物の種類 | 低層の一般住宅・共同住宅・寄宿舎・下宿 日常生活に必要な一定の店舗併用住宅 幼稚園・小中高の学校・公衆浴場・老人ホーム・老人福祉センター・診療所・保育所・神社・寺院・教会・児童厚生施設・学習塾・華道教室など 洋服店・畳屋・建具屋・自転車店・家庭電気器具店など(作業場は50㎡以下で原動機設備の出力総計0.75KW以下) 2階以下で50㎡以下のパンなどの工場(原動機設備の出力総計0.75KW以下) ※ただし建築基準法の改正により現在は前面道路の幅員が9m以上あるなどの基準を満たす場合コンビニなども建築可能 |
第一種低層住居専用地域と同様の用途に加えて 2階以下で150㎡以下の店舗または飲食店(コンビニも含む) |
参考:用途地域
低層マンションのメリット
第一種低層住居専用地域や第二種低層住居専用地域に多い低層マンションには、以下のようなメリットがあります。
- 住環境が良い
- 日当たりや風通しが良い
- 資産価値が下がりにくい
- エレベーター待ちのストレスがない
- 地震の際の揺れが少ない
- 耐震性が高い
- 火災の際はしご車が届く
- 万が一の際自力で避難可能
- 住人同士のコミュニティが生まれやすい
- 大規模修繕などの際合意までが比較的スムーズ
それぞれ解説します。
住環境が良い
第一種低層住居専用地域または第二種低層住居専用地域には、大きな商業施設や工場などの施設がありません。
戸建て住宅中心の住宅街のため、閑静で住み心地の良い環境が期待できます。
日当たりや風通しが良い
第一種低層住居専用地域または第二種低層住居専用地域の低層マンションは、多くの場合日当たりや風通しが良好です。
この地域の建物には建ぺい率が30%〜60%、容積率が50%〜200%の範囲内との制限が設けられているため、敷地内にゆとりが多いからです。
資産価値が下がりにくい
この地域の低層マンションは、購入時より大幅に資産価値が下がることがあまりありません。
前述の通り建ぺい率や容積率が一定の範囲内と定められているため、隣地に高層マンションが建設され、日当たりが悪くなったり眺望が悪くなったりすることがないからです。
エレベーター待ちのストレスがない
高層マンションでは、多くの住人がエレベーターを利用する朝の出勤時など、エレベーターがなかなか来ないためにストレスを感じることがよくあります。
しかし低層マンションは、高層マンションのようにエレベーターが来るのを待つストレスがありません。
地震の際の揺れが少ない
高層マンションでは耐震設備が万全であっても、高層階の揺れは低層階に比べて大きくなります。
低層マンションは揺れにくいため、家具や家電の倒壊リスクも低いと言えます。
耐震性が高い
ほとんどの低層マンションは、壁式構造のため高層マンションのラーメン構造より耐震性が高い傾向にあります。
ラーメン構造は柱と梁で支えるのに対して、壁式構造は柱と壁で建物を支えているからです。
火災の際はしご車が届く
万が一高層マンションで火災が起きた場合、通常のはしご車では最上階まで届かないことがあります。
30m級のはしご車が届くのは10階までですが、低層マンションであれば問題ありません。
万が一の際自力で避難可能
高層マンションでの災害時には、エレベーターが止まってしまうことも。
低層マンションなら、階段で自力避難が可能です。
2階であれば、先に窓からマットレスを投げ落とし、そこに飛び降りることもできます。
住人同士のコミュニティが生まれやすい
低層マンションでは、住人同士のコミュニティが生まれやすいのもメリットの一つです。
低層マンションは戸数が少ないため、入居者同士が顔見知りになりやすく、不審者が立ち入った際にも気づきやすくなります。
大規模修繕などの際合意までが比較的スムーズ
外壁工事など、大規模修繕が必要になった際、全入居者の合意が必要です。
高層マンションのように、戸数が多いと全入居者の合意を得るまでには時間がかかります。
低層マンションであれば、全入居者の合意までが比較的スムーズです。
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低層マンションのデメリット
メリットの多い低層マンションですが、いっぽうで以下のようなデメリットもあります。
- 駅からやや遠い物件が多い
- 共有施設やサービスが少ない
- エレベーターがない物件もある
- 眺望は高層マンションほど良くない
- ご近所づきあいが密になりやすい
- リフォームの自由度が低くなりがち
- 通行人からの視線や生活音の問題
それぞれ解説します。
駅からやや遠い物件が多い
第一種低層住居専用地域や第二種低層住居専用地域は、駅周辺の商業施設が多いエリアから離れているケースがほとんどです。
その分駅前の喧噪は聞こえず、駅前より治安も良いので、安心して暮らせる面もあります。
共有施設やサービスが少ない
高層マンションなどの大規模マンションの多くは、居住者用の集会室や広いエントランスがあり、中には居住者専用のジムやキッズルーム、プールが併設されている物件もあります。
低層マンションは、高層マンションに比べて共有施設やサービスは少ないのですが、使用頻度から考えて、必要な施設が揃っていれば問題ありません。
エレベーターがない物件もある
低層マンションの中にはエレベーターがない物件もあります。
ベビーカーやスーツケースの使用頻度が高い場合は、確認が必要なポイントです。
眺望は高層マンションほど良くない
低層マンションでは、高層マンションのような眺望は望めません。
しかし建ぺい率や高さなどの制限があるため、建物ぎりぎりにビルが建つことがなく、閉塞感を抱くことはないでしょう。
ご近所づきあいが密になりやすい
低層マンションは戸数が少ないため、住人同士のコミュニケーションが生まれやすくなります。
ご近所づきあいが苦手な方には、ストレスになるかもしれません。
リフォームの自由度が低くなりがち
多くの場合低層マンションは、壁を取り払うような大規模なリフォームはできません。
低層マンションは、壁と柱で建物全体を支えていることが多いからです。
通行人からの視線や生活音の問題
低層マンションは通行人から部屋の中が見えたり、生活音が外に聞こえたりする場合があります。
しかしこれは、1階であれば戸建て住宅でも高層マンションでも同じです。
内側が見えないカーテンの使用や、音が漏れると思ったら窓を閉めるなどの工夫は、どの階であっても必要です。
高層マンションと低層マンションの違い
メリット・デメリットを踏まえた上でまとめると、高層マンションと低層マンションの違いは、以下の表の通りです。
高層マンション | 低層マンション | |
---|---|---|
一般的な戸数・高さ | 高さ31m(約10階)を超える場合を指すことが多い | 一般的には2~3階建てを指すことが多い |
構造 | ラーメン構造(柱と梁で支える)が多い | 壁式構造(柱と壁で支える)が多い |
耐震性 | 耐震構造※1・制震構造※2・免震構造※3のいずれか | 耐震構造※1 |
眺望 | 高層階は眺望が良いが、近隣に高層ビルが建ち眺望が悪くなる可能性もある | 高層マンションのような眺望は望めない |
日当たり・風通し | 高層階は日上り・風通しが良い 低層階は場所・部屋の向きにより差がある |
隣接して建物がないため一般的に日当たり・風通しが良い場合が多いが場所・部屋の向きによる |
近隣との関係 | 戸数が多いほど、近隣との関係は希薄になりがち | 戸数が少ないため、近隣との関係は密になる傾向あり |
アクセス | 駅近物件も多い | 駅から少し離れた物件が多い |
環境 | 近隣に商業施設が充実していて便利な反面騒音や治安に注意が必要な場合あり | 大型商業施設から離れるが住宅街が多いため閑静で治安が良い場合が多い |
共有施設・サービス | 集会室・広いエントランスなどを備えているケースが多い プールやジム・ラウンジ併設の物件もある |
住戸が少ない低層マンションは住戸が多いマンションに比べて共有施設やサービスは少ない傾向がある 共有しせつやサービスが充実している高級物件もある |
共益費・修繕積立金 | ケースバイケースでどちらが割安かは一概に判断できない | ケースバイケースでどちらが割安かは一概に判断できない |
※1 耐震構造:壁などで固めて揺れに対抗する構造
※2 制震構造:制震装置を配置して揺れのエネルギーを吸収する構造
※3 免震構造:建物と基礎の間に免震装置を設置して振動を吸収する構造
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低層マンションがおすすめな人
低層マンションは、以下のような人におすすめです。
- 資産価値として保有したい人
- 災害に備えた住まいを求める人
- ご近所づきあいが好きな人
- 戸建て住宅とマンションの良さを両方実感したい人
それぞれ解説します。
資産価値として保有したい人
ご自身で住むだけでなく、資産価値として保有していたい人には、低層マンションが向いています。
低層マンションは、眺望が変わったり日当たりが悪くなったりすることがほとんどなく資産価値が下がらないからです。
災害に備えた住まいを求める人
災害時に強い住まいを求める人にも、低層マンションはおすすめです。
低層マンションは耐震性が高い壁式構造の建物が多いうえ、万が一の際階段を使って自力で避難できます。
ご近所づきあいが好きな方
低層マンションでは、住人同士が顔見知りになりやすく、コミュニケーションが生まれやすいため、ご近所づきあいが好きな方には 向いています。
普段から住人同士でコミュニケーションを取っておくことは、防犯上も安心です。
戸建て住宅とマンションの良さを両方実感したい方
低層マンションは、建ぺい率や容積率の制限から敷地内に緑などゆとりのある空間が多く、戸建て住宅のような感覚を楽しめます。
いっぽう常に管理会社や管理人に管理されており、鍵ひとつで出かけられるという利便性もあるため、両方の良さを実感できる点は、大きな魅力です。
まとめ
低層マンションには、以下のようなメリットがあります。
- 住環境が良い
- 日当たりが良い
- 資産価値が下がりにくい
- エレベーター待ちのストレスがない
- 地震の際の揺れが少ない
- 耐震性が高い
- 火災の際はしご車が届く
- 万が一の際自力で避難可能
- 住人同士のコミュニティが生まれやすい
- 大規模修繕などの際合意までが比較的スムーズ
反面、低層マンションには以下のようなデメリットもあります。
- 駅からやや遠い物件が多い
- 共有施設やサービスが少ない
- エレベーターがない物件もある
- 眺望は高層マンションほど良くない
- ご近所づきあいが密になりやすい
- リフォームの自由度が低くなりがち
- 通行人からの視線や生活音の問題
以上のようなメリット・デメリットから、低層マンションは以下のような人に向いています。
- 資産価値として保有したい人
- 災害時に備えた住まいを求める人
- ご近所づきあいが好きな人
- 戸建て住宅とマンションの良さを両方実感したい人
住まい選びのポイントは、そこで暮らす人の家族構成、生活パターンなどによって十人十色です。
この記事が、ご自身にあった住まい選びの参考になればうれしいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考:低層マンションの魅力 ~メリットやデメリットは? 高層マンションの住み心地とはどう違う?~ | SUUMOお役立ち情報
参考:低層マンションのメリットとデメリットは?高級なイメージの理由も探る!
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