不動産データからみる中野区の特徴!売買価格から相場、住みやすさまで徹底解剖

  不動産データからみる中野区の特徴!売買価格から相場、住みやすさまで徹底解剖

新築、マンションの平均相場や住みやすさなど不動産に関する様々なデータをもとに中野区の特徴について深掘りしていきます。これから中野区に移住を考えている方、不動産投資を考えている方などのお役に立てば幸いです。

手塚 大輔
【執筆・監修】手塚 大輔

地方銀行に10年弱勤務した後、現在は飲食店を起業しており、プロのライターとしてもSEO記事、コピーライティングなどを行なっております。 銀行では、預金業務、カードローン、住宅ローン、企業の運転資金、設備資金、起業開業支援、保険販売、投資信託販売などの他、企業の決算書の審査など経験。

【保有資格】ファイナンシャルプランナー

中野区は新宿や渋谷や池袋にほど近い、アクセス良好な自治体です。

「中野ブロードウェイ」などの世界中のサブカル文化が集まる個性豊かな街でもあり、若者も多く集まります。

この記事では「これから中野区に住みたい」と考える方へ向け、中野区の特徴や中野区の不動産市場の状況を詳しく解説していきます。

中野区の特徴

中野区は次のような特色のある施設や地域が多数存在する自治体です。

  • 中野ブロードウェイ
  • 中野サンモール
  • 哲学堂公園
  • 中野サンプラザ

中野区は若者の街として、単身世帯が人口の6割程度を占めています。

しかし、「中野ブロードウェイ」などの個性溢れる商店街が多く、公園も多数あり、寺社仏閣も多いので、ファミリー層にも住みやすいという特徴があります。

また、中野ブロードウェイは「孤独のグルメ」のロケ地として有名ですし、哲学堂公園はアニメ「ひもてはうす」の舞台にもなっているなど、非常に特色豊かな自治体です。

新宿には中央線で4分ですので、利便性が非常に高い点も大きな特徴だと言えます。

中野区の人口・世帯平均年収のデータ

中野区の基本情報です。

人口 333,593人
生産年齢人口率 70.7%
高齢化率 20.1%
区民平均年収 526万円
区民年収中央値 300万円未満

参考:中野区の家計データ
2023年住民基本台帳による人口

東京都平均の高齢化率は22%程度ですので、単身世帯の若者が多い中野区の高齢化率は最近になって20%を超えたところです。

高齢化が進む日本において、中野区はまだ若い自治体に分類されます。

また、区民の平均年収は526万円と、東京都内の平均年収である564万円よりも低くなっています。

これは単身世帯が多いためで、300万円未満の所得の方が全体の40%近くを占めており、これは他の区ではあまり見られない中野区だけの特徴だと言えます。

中野区は20代の単身者が多い若者の街ということが数字から分かります。

中野区の生活環境や利便性、安全性に関する情報

中野区のメインの駅である中野駅には次の路線が乗り入れています。

  • 中央本線
  • 東京メトロ「東西線」

中央線は新宿や東京まで1本で、新宿までは4分という近さです。

また、東西線は大手町や飯田橋などに1本で中野駅が始発ですので、都心への通勤に余裕を持って座れます。

また、中野坂上には東京メトロ「丸ノ内線」、「丸ノ内線方南町支線」と都営地下鉄「大江戸線」が乗り入れているため、中野区は都内どこへ行くにも非常に便利な自治体です。

中野区の犯罪率は東京23区中14位と都内の中では中の下というところです。

参考:中野区の治安や住みやすさはどう?23区全体と比較して解説

主な犯罪は自転車の盗難ですので、傷害や窃盗などの犯罪はそれほど多くありません。

この点も若者の街という特徴が出ていると言えるでしょう。

自転車が盗まれないように、二重ロックをするなどして盗難対策を怠らないよう注意してください。

なお治安はエリアによって異なり、中野駅周辺などの繁華街では犯罪が比較的多いですが、住宅街に入ると閑静なエリアとなっており治安も悪くありません。

おすすめ記事
不動産売却の費用を抑える秘訣 – 交渉術から節税対策まで徹底解説
不動産売買の税金|種類や計算方法・節税方法・確定申告の方法も解説
マンション売却の確定申告|損益計算から特例・期限・方法まで完全解説

中野区の不動産のデータ

中野区の戸建て住宅、マンション、賃貸住宅の家賃相場などのデータをご紹介していきます。

新築・中古の戸建平均価格

アットホームに掲載されている物件によると、中野区の中古戸建て住宅の平均価格は2LDKで6,980万円、3LDKで7,380万円程度です。

参考:中野区の一戸建て価格相場を調べる

建物面積では80㎡〜100㎡で7,380万円となっており、全国平均(126㎡)からすると、かなり狭い物件となってしまいます。

中野区で家族がゆったりと生活できる中古一戸建てを購入することはあまり現実的とは言えないかもしれません。

なお、中野区の宅地の平均価格は111万7500円/㎡、369万4214円/坪と都内でも10番目の高さです。

参考:土地代データ

たとえば、50㎡の土地を購入する場合、土地代は5,500万円程度です。

この土地に5,000万円の建物を建築しても、合計で1億円程度かかるので、中野区で新築一戸建てを購入できるのは、所得がかなり高い方に限られてしまうでしょう。

新築・中古のマンション平均価格

LIFULL HOME’Sによると中野区の新築・中古マンションの平均価格は次の通りです。

平均価格 平均単価
新築 7,038万円 135.7万円
中古 5,638万円 データなし

参考:LIFULL HOME’Sが東京23区の新築マンション平均価格を区単位で調査
東京都中野区の中古マンション価格相場情報

中古マンションの平均価格は5,600万円程度と、会社員の方も手が届く範囲です。

また新築マンションも手に入りやすい価格で、平均は7,000万円程度となっています。

東京23区中の中でも17番目の価格ですので、中野区は新築マンションの購入も都内の中では購入しやすいエリアです。

湾岸地域が人気になる中で中央線沿線の中野はそれほど人気エリアではないことも新築マンションが手が出しやすい価格であることの理由です。

なお、7,000万円のマンション購入の際に頭金1,000万円を用意して、6,000万円の住宅ローン(金利1.5%、返済期間30年)を組んだ場合、毎月返済額は20万7,000円です。

月20万円であれば、2LDK程度の賃貸住宅を借りても大きくは変わらない価格帯ですので、会社員の方も現実的に手が届く範囲だと言えるでしょう。

家賃相場

LIFULL HOME’Sによると、中野区のマンションの家賃相場は次の通りです。

間取り 平均家賃
ワンルーム 7.63万円
1K 8.67万円
1DK 11.57万円
1LDK 14.89万円
2K 11.26万円
2DK 13.27万円
2LDK 19.98万円
3DK 15.70万円
3LDK 26.52万円

引用:LIFULL HOME’S|中野区の家賃相場情報

単身世帯が多く居住する中野区はワンルームや1Kであれば7万円〜8万円台程度と住みやすい価格帯になっています。

一方、2LDKの賃貸住宅は20万円程度、3LDKになると26万円以上と高額です。

中野区でファミリー層が賃貸住宅に居住することは家賃負担が大きいため、結婚や出産を機にマンション購入を検討するのもよいでしょう。

おすすめ記事
マンション売却の流れを完全網羅!売却準備から手続きまで詳しく解説
不動産売却を有利に進める!仲介手数料の内容・計算式・節約術まで徹底解説
マンション購入の流れから注意点や経費の内訳まで完全解説

中野区の不動産市場の動向や将来性に関する分析

「ダイヤモンド不動産研究所」のコラムでは中野区の不動産価格をグッド、ノーマル、バッドの3つのシナリオに分けて以下のように予測しています。

  • グッドシナリオ:10年間で▲20.5%
  • ノーマルシナリオ:7,580万円:10年間で▲23.2%
  • バッドシナリオ:5,393万円:10年間で▲23.7%

中野区は過去10年で不動産価格が+23.9%上昇していますが、この1年では1.1%減少しています。

周辺エリアが10年間で27.2%上昇していることと比較すると、中野区は周辺と比較して資産価値が高いとは言えません。

さらに近年は下落傾向にあります。

人口減少に伴い、資産価値の低いところから資産価値の高いところへ人口は移動する傾向にあるため、今後は中野区からは資産を持っている層が都心へと流出し、資産価値は下落していく可能性が高いと考えられています。

資産価値は20%以上も下落する予測となっているため、投資的な意味合いで中野区へ不動産を購入することはおすすめできません。

参考:東京都中野区の土地価格・相場は? 今後10年の価格推移も予想!【不動産価格データベース】

中野区のおすすめエリア

中野区に居住する方におすすめエリアは次の通りです。

  • 中野駅:駅前の商店街や飲食店が充実。
    中野セントラルパークとその中に併設されている中野四季の森公園など駅前に自然と触れ合える場所が豊富。
  • 野方駅:飲食店が充実し、カフェやレストラン、居酒屋などが多く点在。
    住宅が多いので治安もよい。
  • 新井薬師前駅:スーパーマーケットやコンビニエンスストア、飲食店などが充実。
    落ち着いた住宅街でありながら西武新宿線で新宿まで直通20分。
  • 中野坂上駅:区立「本町図書館」、「本二東郷やすらぎ公園」など落ち着いた場所が多い。
    スーパーや飲食店や病院もあるので居住空間として最適。
    東京メトロ丸ノ内線と都営大江戸線が交差し、新宿まで7分。
  • 中野富士見町駅:静かな住宅地。
    駅周辺には「本五ふれあい公園」や、病院や飲食店やスーパーが充実しているため、ファミリー層には最適。

参考:中野区は住みやすい?タイプ別にオススメのエリアや治安をご紹介

中野区の住民の口コミなど

実際に中野区に住んでいる住民の方の口コミをから集めてみました。

  • 「行政の対応がよい。聴覚障害者に対して理解がありコミュニケーション手段を用意してくれる(50代女性)」
  • 「交通が便利。最寄駅から近いのに賃貸アパートの家賃が安かった(50代女性)」
  • 「店舗がどこも狭いので、杖歩行者などの足が不自由な人には不向き(50代女性)」

引用:中野区:特色・特徴

行政サービスは充実しているという声が多く寄せられています。

また新宿に近く、都心へも東西線で1本というアクセスの良さも口コミで広がっています。

ただし、店舗やマンションなどは狭い傾向があります。

中野区は23区内の中でも人口密度はトップクラスですので、広い空間で生活したい方には不向きかもしれません。

おすすめ記事
不動産売却時の税金ガイド|節税対策・計算方法・納税方法を解説
自宅売却時の費用を徹底解説|仲介手数料~税金・成功のコツまで
仲介手数料の相場や上限とは?計算方法・安く抑えるための方法を解説

まとめ

中野区は商店街が多く、中野ブロードウェイという世界的なサブカルの聖地を抱える街です。

そのため若者が多く、世帯の6割を単身世帯が占めています。

また、中野駅は中央線で新宿まで4分、東西線の始発駅という抜群の利便性も会社員の方にとっては魅力的です。

人口密度が高い中野区で一戸建てを購入することは現実的ではありません。

マンションであれば23区内でも下位に位置する価格帯ですので、中野区に住宅購入を検討するのであえばマンションを選択しましょう。

なお、将来的には価値が下がっていくと予測されているエリアですので、投資目的で不動産を買う方は注意してください。

関連記事

注目ワード

Top