世田谷区は戦後、東京を代表する住宅街として栄え、23区内で最も多い人口を誇っています。
成城をはじめとして昭和から平成にかけて高級住宅街として人気を集めたエリアに加え、近年では二子玉川などが人気で、常に一定のブランドを誇っているエリアでもあります。
世田谷区の特徴や居住している方の口コミ、不動産市場などについて詳しく見ていきましょう。
世田谷区の特徴
世田谷区は住宅エリアと自然が一体化した環境が人気です。
そのため、おすすめスポットとしては次のような場所が挙げられます。
- 馬事公苑
- 駒沢公園
- 砧公園
- 世田谷公園
- 二子玉川ライズ
- 下北沢
- 本多劇場
- 世田谷パブリックシアター
世田谷区はほぼ全域が閑静な住宅街にあるため、とにかく公園が多くなっています。
駒沢公園、砧公園、世田谷公園などで家族とゆっくり過ごしたり、スポーツを楽しんだり日常的に広く緑豊かな空間で過ごせます。
豪徳寺や世田谷八幡宮も所在しているため、歴史浪漫を感じることができるのも世田谷区の魅力です。
さらに世田谷区には二子玉川や下北沢も擁しているので、若い人やファミリーが買い物をするにも困りません。
また本多劇場、世田谷パブリックシアター、五島美術館、長谷川町子美術館などもあるのでカルチャーや芸術の街でもあります。
まさに、さまざまな世代、さまざまな趣味嗜好の人が楽しめるのが世田谷区の魅力です。
世田谷区の人口・世帯平均年収のデータ
世田谷区の基本情報です。
人口 | 918,769人 |
生産年齢人口率 | 68.0% |
高齢化率 | 20.4% |
区民平均年収 | 655万円 |
区民年収中央値 | 300万円未満 |
参考:世田谷区の家計データ
統計情報館
人口91万円超えは都内最大です。
区内全域が住宅街ですので、さまざまな世代、さまざまな収入の人が生活しています。
東京都平均の高齢化率は22%程度ですので、世田谷区の高齢化率は都内平均よりも若干低く、現役世代が多い街だと言えるでしょう。
世田谷区民の平均年収は655万円と、東京都内の平均年収である564万円を90万円程度上回っています。
これは成城などの超高級住宅街に居住するお金持ちが平均を引き上げているためと、世田谷は昭和から高級住宅街として知られているため、今も居住者は平均的に年収が高いものと考えられます。
経営者や士業の方や、ハイクラスのサラリーマンが居住する街です。
世田谷区の生活環境や利便性、安全性に関する情報
世田谷区にはJRの駅がないので、次のように数多くの私鉄が乗り入れをしています。
- 小田急小田原線
- 京王京王線
- 京王井の頭線
- 東急田園都市線
- 東急 大井町線
- 東急東横線
- 東急目黒線
- 東急世田谷線
京王線、井の頭線、小田急線が通っているので新宿や渋谷までは1本です。
また大井町線で品川大井町方面へも1本で行けるので、学生や会社員の方にとっては非常に利便性の高い自治体だと言えるでしょう。
世田谷区の犯罪率は東京23区中4位と都内の中では治安の良いエリアです。
参考:世田谷区の治安や住みやすさはどう?23区全体と比較して解説
世田谷にはターミナル駅と呼べるような大きな駅がなく、区内全体が閑静な住宅街ですので23区内の中でもかなり治安がよくなっています。
宮内では三軒茶屋駅・下北沢駅・二子玉川駅など若者が集まる繁華街は若干犯罪率が高くなっていますが、このような場所を避けていれば基本的には区内どこも安全に生活できるでしょう。
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世田谷区の不動産のデータ
新築・中古の戸建平均価格
アットホームに掲載されている物件によると、世田谷区の中古戸建て住宅の平均価格は2LDKで8,540万円、3LDKで8,980万円程度です。
また、世田谷区の宅地の平均価格は76万8344円/㎡、253万9981円/坪と都内では14番目です。
高級住宅街というイメージのある世田谷区ですが、区内の面積が広いのと、人気が湾岸エリアに移っていることから、23区内でも地価は高い方ではありません。
参考:土地代データ
たとえば、50㎡の土地を購入する場合、土地代は4,000万円程度です。
この土地に5,000万円の建物を建築しても、合計で9,000万円程度かかり、もっと広い家に居住したい方はさらに高額になります。
やはり世田谷区で一戸建てを購入することは年収の高い人でないと難しいでしょう。
新築・中古のマンション平均価格
LIFULL HOME’Sによると世田谷区の新築・中古マンションの平均価格は次の通りです。
平均価格 | 平均単価 | |
---|---|---|
新築 | 11,870万円 | 173.4万円 |
中古 | 5,693万円 | データなし |
参考:東京都世田谷区の中古マンション価格相場情報
LIFULL HOME’Sが東京23区の新築マンション平均価格を区単位で調査
世田谷区の新築マンションの平均価格は高く、23区内でも7番目の1億1千万円超えです。
世田谷区は二子玉川などのエリアにタワーマンションが多く建設されています。
そのため、新しいマンションは価格がかなり高くなっており、会社員の方が世田谷区の新築マンションを購入するのはかなりハードルが高いと言えます。
一般の会社員の方が世田谷区に住居を購入するのであれば中古マンションがおすすめです。
中古マンションの平均価格は5,600万円程度と、会社員の方も手が届く範囲となっています。
なお、6,000万円のマンション購入の際に頭金1,000万円を用意して、5,000万円の住宅ローン(金利1.5%、返済期間30年)を組んだ場合、毎月返済額は17万2,560円です。
月17万円程度であれば、賃貸住宅の家賃よりも安い支払いになる可能性もあるので、中古のリノベーション住宅などを探してもみるのもよいでしょう。
家賃相場
LIFULL HOME’Sによると、世田谷区のマンションの家賃相場は次の通りです。
間取り | 平均家賃 |
---|---|
ワンルーム | 8.91万円 |
1K | 8.85万円 |
1DK | 11.40万円 |
1LDK | 16.11万円 |
2K | 11.78万円 |
2DK | 15.04万円 |
2LDK | 23.26万円 |
3K | 21.70万円 |
3LDK | 28.28万円 |
世田谷区には明大前、下北沢、三軒茶屋など若者が多いエリアが多数ありますが、ワンルームや1Kでも9万円〜10万円程度と高めの家賃になっています。
一方、2LDKの賃貸住宅は23万円程度、3LDKになると28万円以上と非常に家賃相場が高いため、世田谷区に住み続けたいのであれば賃貸住宅よりも中古マンションを購入した方が住居費を抑えられるでしょう。
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世田谷区の不動産市場の動向や将来性に関する分析
「ダイヤモンド不動産研究所」のコラムでは世田谷区の不動産価格をグッド、ノーマル、バッドの3つのシナリオに分けて以下のように予測しています。
- グッドシナリオ:10年間で+9.4%
- ノーマルシナリオ:7,580万円:10年間で▲12.4%
- バッドシナリオ:5,393万円:10年間で▲27.3%
世田谷区は過去10年で不動産価格が+16.7%上昇していますが、この1年では0.2%上昇しています。
周辺エリアが10年間で21.7%上昇していることと比較すると、世田谷区は周辺と比較して資産価値が高いとは決して言えません。
人口減少に伴い、世田谷区のような昭和に栄えた住宅街からは人もお金も減少していくと予想されるので、本コラムの予測は10年間でマイナス12%以上となっています。
練馬区も中野区も同じような予測となっているため、海から遠く都内西部に位置する地域は不動産価格が厳しい見通しになる傾向があるようです。
参考:東京都世田谷区の土地価格・相場は? 今後10年の価格推移も予想!【不動産価格データベース】
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世田谷区のおすすめエリア
世田谷区に居住する方におすすめエリアは次の通りです。
- 下北沢駅:音楽・ファッションなどのサブカルチャーの聖地。
2025年には駅前広場の整備が終わり綺麗に。
駅から少し離れると住宅街が広がり、便利で落ち着いた場所でもある。
井の頭線と小田急線が乗り入れているため、新宿、渋谷、吉祥寺まで1本。 - 三軒茶屋駅:都内でも有数のグルメスポット。
カフェからレストランまで豊富。
駅からすぐのキャロットタワーは世田谷区のランドマーク。 - 千歳烏山駅:区内でも家賃相場が安い。
閑静な住宅街で、近くの祖師谷公園は桜の名所としても知られており、住みやすい。 - 松原駅:寺社や公園が点在する歴史ある落ちついたエリア。
大きな商店はないので「都内の中でもできる限り静かな環境で生活したい」という方におすすめ。 - 二子玉川駅:大規模再開発によって区内でもトップの人気エリアに。
不動産相場は高く、ファミリー層の憧れの場所。
大型商業施設のライズや高島屋などの施設に加え、多摩川の自然があるので住環境としては最適。 - 経堂駅:周辺には大学のキャンパスが点在するので学生街の雰囲気。
町全体は落ち着いており飲食店や商店も多いのでファミリー層に人気。
参考:世田谷区は住みやすい?タイプ別にオススメのエリアや治安をご紹介
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世田谷区の住民の口コミなど
実際に世田谷区に住んでいる住民の方の口コミをから集めてみました。
- 「公園が多いだけでなく、住宅街にも自然が多い(30代男性)」
- 「アクセスがよいので気に入ってます(30代男性)」
- 「超大型公園の砧公園には大倉運動場や美術館も併設されている(30代男性)」
引用:世田谷区:特色・特徴
とにかく公園が多く、住環境として非常に優れているのが世田谷区の魅力です。
自然豊かでありながらも都心へのアクセスもよいので、通勤や通学にも非常に利便性が高い場所だといえます。
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まとめ
世田谷区は以前は高級住宅街というイメージがありましたが、今は二子玉川を中心としたエリアにタワーマンションが建つ新築マンションが高いエリアです。
そのため、以前から区内に広がっていたエリアの不動産相場はそれほど高くありません。
中古マンションであれば会社員の方も手が届く範囲です。
区内には非常に多くの公園や美術館があるので、住環境としては最適です。
高齢になってもファミリーでも住みやすい街で、治安もよいため、23区内への居住を検討している方は世田谷区を選択肢の1つとするのもよいでしょう。